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第III部 国民の生命・財産と領土・領海・領空を守り抜くための取組

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第1章 わが国の防衛を担う組織と実効的な抑止及び対処

第1節 防衛省・自衛隊の組織

1 防衛力を支える組織

1 防衛省・自衛隊の組織

防衛省・自衛隊1は、わが国の防衛という任務を果たすため、実力組織である陸・海・空自を中心に、様々な組織で構成されている。

参照図表III-1-1-1(防衛省の組織図)、図表III-1-1-2(防衛省の組織の概要)

図表III-1-1-1 防衛省の組織図

図表III-1-1-2 防衛省の組織の概要

2 防衛大臣を補佐する体制

防衛大臣は、防衛省の長として国の防衛に関する事務を分担管理し、自衛隊法の定めるところに従い、自衛隊の隊務を統括する。その際、防衛副大臣、防衛大臣政務官(2人)及び防衛大臣補佐官が防衛大臣を補佐する。また、防衛大臣への進言を行う防衛大臣政策参与や、防衛省の所掌事務に関する基本的な方針について審議する防衛会議が置かれている。さらに、防衛大臣を助け、省務を整理し、各部局及び機関の事務を監督する防衛事務次官や国際関係業務などを総括整理する防衛審議官が置かれている。

そのほか、防衛省には、本省内部部局、統幕及び陸・海・空幕と、外局である防衛装備庁が置かれている。本省内部部局は、自衛隊の業務の基本的事項を担当しており、官房長及び各局長は防衛装備行政を担当する防衛装備庁長官とともに、防衛大臣に対する政策的見地からの補佐、すなわち、防衛省の任務の達成のため、防衛省の所掌事務が法令に従い、かつ、適切に遂行されるよう、その所掌事務に関する防衛大臣への補佐を行う。統幕は、自衛隊の運用に関する防衛大臣の幕僚機関であり、統幕長は、自衛隊の運用に関して軍事専門的見地から防衛大臣の補佐を一元的に行う。また、陸・海・空幕は運用以外の各自衛隊の隊務に関する防衛大臣の幕僚機関であり、陸・海・空幕長は、こうした隊務に関する最高の専門的助言者として防衛大臣を補佐する。このように、防衛省においては、防衛大臣が的確な判断を行うため、政策的見地からの大臣補佐と軍事専門的見地からの大臣補佐がいわば車の両輪としてバランス良く行われることを確保している。15(平成27)年、防衛省改革の取組としての防衛装備庁の新設や統幕などの改編のために防衛省設置法の改正を行った際、防衛省設置法第12条において、官房長及び局長並びに防衛装備庁長官による大臣補佐が各幕僚長による大臣補佐と相まって行われる旨を規定し、防衛大臣を補佐する体制に関する、このような従来の考え方をより明確化した2

3 地方における防衛行政の拠点

防衛省は、防衛行政全般の地方における拠点として地方防衛局を全国8か所(札幌市、仙台市、さいたま市、横浜市、大阪市、広島市、福岡市及び嘉手納町)に設置している。

地方防衛局は、基地周辺対策事業や装備品の検査などに加え、防衛省・自衛隊の取組に対して地方公共団体及び地域住民の理解及び協力を得るための様々な施策(地方協力確保事務)を行っている。

参照III部4章1節(地域コミュニティーとの連携)

1 防衛省と自衛隊は、ともに同一の防衛行政組織である。「防衛省」という場合には、陸・海・空自の管理・運営などを任務とする行政組織の面をとらえているのに対し、「自衛隊」という場合には、わが国の防衛などを任務とする、部隊行動を行う実力組織の面をとらえている。

2 この改正法の国会審議においては、文民統制と内部部局の文官の役割について、政府から、「文民統制(シビリアンコントロール)とは、民主主義国家における軍事に対する政治の優先を意味するものであり、わが国の文民統制は、国会における統制、内閣(国家安全保障会議を含む。)による統制とともに、防衛省における統制がある。そのうち、防衛省における統制は、文民である防衛大臣が、自衛隊を管理・運営し、統制することであるが、防衛副大臣、防衛大臣政務官などの政治任用者の補佐のほか、内部部局の文官による補佐も、この防衛大臣による文民統制を助けるものとして重要な役割を果たしている。文民統制における内部部局の文官の役割は、防衛大臣を補佐することであり、内部部局の文官が部隊に対し指揮命令をするという関係にはない。」と答弁している。