◆2014(平成26)年5月、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の報告書が提出され、安倍内閣総理大臣が今後の検討の進め方についての基本的方向性を示した。
◆与党において協議を重ね、政府としても検討を進め、2014(同26)年7月1日、政府として「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」の閣議決定を行った。
「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」の閣議決定を受けて記者会見を行う安倍内閣総理大臣(内閣広報室)
◆2013(平成25)年12月、国家安全保障会議が創設され、わが国の外交・防衛政策の司令塔として機能している。
国家安全保障会議の様子(内閣広報室)
◆2013(平成25)年12月、わが国として初めて国家安全保障に関する基本方針を定めた「国家安全保障戦略」を決定した。
◆国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、わが国の安全およびアジア太平洋地域の平和と安定を実現していく。国際社会の平和と安定および繁栄の確保に、これまで以上に積極的に寄与していく。
◆防衛省、国家安全保障会議などにおける検討を経て、2013(平成25)年12月、「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱」(新防衛大綱)を策定した。
◆わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、自衛隊の対応が求められる事態が増加するとともに長期化する傾向
◆統合運用による適切な活動を機動的かつ持続的に実施していくことに加え、防衛力をより強靱(じん)なものとするため、各種活動を下支えする防衛力の「質」および「量」を必要かつ十分に確保し、抑止力および対処力を高めていくことが必要
◆総合的な観点から特に重視すべき機能・能力についての全体最適を図るとともに、多様な活動を統合運用によりシームレスかつ状況に臨機に対応して機動的に行い得る実効的なものとしていくことが必要
◆幅広い後方支援基盤の確立に配意しつつ、高度な技術力と情報・指揮通信能力に支えられ、ハードおよびソフト両面における即応性、持続性、強靱性および連接性も重視した「統合機動防衛力」を構築
◆国際協調主義に基づく積極的平和主義の観点から、①わが国自身の努力、②日米同盟の強化、③安全保障協力の積極的な推進の3つのアプローチを推進
◆各種事態における実効的な抑止および対処
◆アジア太平洋地域の安定化およびグローバルな安全保障環境の改善
◆以上の役割を実効的に果たすために、統合運用の観点から、重視すべき機能・能力を優先整備。海上優勢および航空優勢の確実な維持を優先、機動展開能力の整備も重視
フィリピンにおける国際緊急援助活動の様子
◆師団・旅団の約半数を、高い機動力や警戒監視能力を備える即応機動連隊などからなる機動師団・機動旅団に改編し、機動運用化
◆水陸両用作戦を有効に実施し得るよう、専門的機能を備えた機動運用部隊を保持
◆護衛艦を増勢。新たな護衛艦(多任務対応・船体コンパクト化)の導入。イージス・システム搭載護衛艦の2隻増勢による8隻体制の確立
◆潜水艦部隊の増勢を継続
◆P-1の継続整備による固定翼哨戒機(P-1/P-3C)の体制を維持
新型護衛艦(イメージ)
◆警戒管制業務の防空指令所への集約化などにより、警戒群を段階的に警戒隊へ移行。警戒航空部隊に1個飛行隊を新編
◆13個目の飛行隊を新編するとともに、航空偵察部隊1個飛行隊を廃止。那覇基地の戦闘機部隊を2個飛行隊に増勢
◆空中給油・輸送部隊に1個飛行隊を新編し、2個飛行隊に増勢
F-35A戦闘機
◆訓練・演習、運用基盤、人事教育、衛生、防衛生産・技術基盤、装備品の効率的な取得、研究開発、地域コミュニティーとの連携、情報発信の強化、知的基盤の強化、防衛省改革の推進など、幅広い分野を防衛力の能力発揮のための基盤として強化
看護師要員の戴帽式の様子
◆新防衛大綱を踏まえ、平成26年度から平成30年度までを対象とする新中期防衛力整備計画を策定した。
◆基幹部隊の見直し、南西地域の防衛態勢強化を含む自衛隊の能力に関する主要事業、日米安全保障体制の強化のための施策、主要装備品の整備規模、所要経費などを定めている。
◆「統合機動防衛力構築委員会」は、防衛大臣の指示のもと、新防衛大綱および新中期防で示された各種施策などの進捗状況を評価・検証しつつ、統合機動防衛力の構築を積極的に推進するため、所要の取組を行っている。
委員会を主催する武田防衛副大臣
◆平成26年度は、新防衛大綱および新中期防に基づき、その初年度として、統合機動防衛力の構築に向け、防衛力整備を着実に実施
◆①各種事態における実効的な抑止および対処、②アジア太平洋地域の安定化およびグローバルな安全保障環境の改善、といった防衛力の役割にシームレスかつ機動的に対応し得るよう、防衛力を整備する。
水陸両用車の参考品「AAV7」
防衛省(市ヶ谷基地)に展開したPAC-3
災害派遣など多目的に対応する救難艦(イメージ)
◆平成26年度においては、一層厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、国民の生命・財産とわが国の領土・領海・領空を守る態勢を強化するため、防衛関係費を平成25年度に引き続き増額