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<VOICE>全国大会優勝! 高等工科学校軟式野球部

陸自武山駐屯地(神奈川県 横須賀市)
陸上自衛隊高等工科学校 防衛教官(野球部顧問)
鶴渕 鉄矢(つるぶち てつや)

陸上自衛隊高等工科学校(高工校)軟式野球部は、08(平成20)年に高等学校野球連盟に加盟し、13(同25)年夏、6年目にして、第58回全国高等学校軟式野球選手権大会に初出場し、見事、全国制覇を果たしました。

高工校では、中学校を卒業した15歳から18歳の少年が、3年間の寮生活で勉学とスポーツに励みつつ、将来自衛官になるための教育を受けます。また、県内の横浜修悠館高校と提携しており高等学校卒業資格も取得できます。

本大会で高工校軟式野球部は、8月26日~30日までの間、初出場のプレッシャーをはねのけ、順調に勝ち進み、決勝戦では、四国の強豪校である新田高校との延長戦の末、サヨナラ勝ちしました。この延長戦の際、エースの鮫島生徒(当時)は右ふくらはぎを痛めていましたが、他の選手の集中力を乱したくないばかりに、黙々と気力で投球し続けました。このとき彼を支えていたのは自分の背後で一心に持ち場を守っている仲間の姿や、「(打たれても)俺たちが絶対点を取ってやる」という励ましの言葉でした。試合後このことを知った私は、彼らのいじらしさについ目頭が熱くなりました。

本大会に出場した高工校野球部員総勢56名のうち鮫島生徒を含む3年生23名は、14(同26)年3月21日、卒業の日を迎え、国防の任に就くべく高工校を巣立ちました。

高工校野球部員の画像

第58回全国高等学校軟式野球選手権大会閉会式にて優勝旗、優勝メダルを授与された高工校野球部員(13(平成25)年8月30日)