Contents

コラム

防衛白書トップ > コラム > <解説>国連PKO部隊マニュアルについて

<解説>国連PKO部隊マニュアルについて

紛争などにより国土が破壊された国々の復興支援を行ってきた国連は、新たな取組として、PKO部隊に求められる能力を明確化し、参加国の理解を促進するため、国連PKO部隊マニュアルの作成を進めている。この取組の背景には、PKO部隊の運用を効率化するねらいがあり、マニュアルはPKOに参加する各国部隊が共同で任務を遂行する際や、派遣国が事前に部隊を訓練するにあたっての指針となるものである。

マニュアルの作成は、工兵(施設)や航空といった職種ごとに進められ、それぞれの分野で要求される能力、任務、装備および部隊編成といった項目が盛り込まれる予定である。

わが国は、工兵、兵站(後方補給)および輸送の三つの分野のマニュアル作成に参加している。カンボジア、東ティモール、ハイチ、現在派遣中の南スーダンでの施設部隊の活躍が評価され、23か国が参加する工兵分野の分科会では、わが国が議長国に選ばれ、「工兵部隊マニュアル」の策定をリードしている。14(平成26)年3月には、東京で第1回目の専門家会合が開催され、14か国と三つの国際機関が参加し、「工兵部隊マニュアル」の策定に向けた基本的考え方などについて意見交換を行った。

その開会挨拶で、小野寺防衛大臣は、わが国は、国際平和協力活動でより主導的な役割を果たす観点から、マニュアル策定に積極的に取り組んでいく旨を述べた。

今後日本は、15(同27)年初頭の完成を目指して、「工兵部隊マニュアル」の策定に向けた各国の取組を引き続きリードしていく。

会合の画像

第1回専門家会合(東京)