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<VOICE>多国籍連合任務部隊(CTF151)への参加

海自第4護衛隊(広島県 呉市)
第4護衛隊司令 1等海佐
田尻 裕昭(たじり ひろあき)

第17次の海賊対処行動水上部隊として、13(平成25)年12月に任務を引き継ぎ、14(平成26)年4月まで活動しました。当隊から、従来の護衛任務に加え、第151連合任務部隊(CTF151)に参加して活動しています。

CTF151は、海賊対処を任務とする米国を中心とした多国籍の枠組みであり、参加国の部隊は、CTF151司令部との調整のもと、自国の法令に基づき、特定の海域の警戒監視(ゾーンディフェンス)にあたっています。

14(同26)年1月には、海賊に襲撃を受けた船舶からの通報を受け、護衛艦「さみだれ」搭載航空機が捜索を行い、不審な船舶を発見・追尾しました。以後P-3C哨戒機、EU部隊所属のフランス海軍艦艇へと引き継ぎ、この船舶が海賊に乗っ取られたインド船籍の船舶であると判明し、乗員は無事解放され海賊は拘束されました。これは、各国の海賊対処部隊との情報共有および連携が効果的に機能した結果であり、また隊員一人ひとりが、与えられた任務に対し優れたプロフェッショナリズムを発揮した成果です。

また、同月には、CTF151の指揮官であるデンマーク海軍のヤンセン准将が当隊を訪問され、効果的な海賊対処行動を行うための情報共有や協力の推進について、有意義な意見交換を行うことができました。

今日も日本を遠く離れ、気温が50度を超え、湿度が100%に近い日も多い過酷な環境の中で、海上交通の安全を維持し、わが国の安定と発展のため、また国際社会の平和と安定に寄与するために、海賊対処行動に従事しました。

ヤンセン准将と筆者の画像

CTF151指揮官デンマーク海軍ヤンセン准将(前列中央)と筆者(前列左から2人目)