空自千歳基地(北海道 千歳市)
第2航空団 第201飛行隊 飛行隊長 2等空佐(現 航空総隊司令部 防衛部)
中田 祥史(なかた よしふみ)
13(平成25)年7月18日、空自千歳基地に所在する第201飛行隊と英国コニングスビー基地に所在する英空軍第3飛行隊は、日英防衛協力・交流の一環として、姉妹飛行隊の関係を結びました。
姉妹飛行隊とは、特定の飛行部隊同士で定期的に交流する関係のことであり、13(同25)年は、タウンゼント第3飛行隊長を含む3名が第201飛行隊を訪問し、部隊の任務や飛行運用などについて意見交換するとともに、F-15に搭乗していただきました。交流を通じ、相互の部隊運用などに類似点が多いことに改めて気づかされるとともに、シミュレーターの活用状況など、相違点も浮き彫りになり、大変興味深い経験でした。
次は我々が英空軍第3飛行隊を訪問する番であり、交流によって、どのような発見があるのか大変楽しみです。今後とも、相互に部隊運用能力を高めていけるよう、英空軍第3飛行隊との絆を深めていきたいと思います。
交流を深める日英姉妹飛行隊(タウンゼント中佐:左から3人目、中田2空佐:右から3人目)
姉妹飛行隊の署名式を終えた両飛行隊長
英空軍 コニングスビー空軍基地(英国 リンカーン州)
第3飛行隊 飛行隊長 中佐
イアン タウンゼント(Wing Commander Ian Townsend)
11(平成23)年8月の英空軍参謀総長ダルトン大将の訪日をきっかけとして、英空軍第3飛行隊は空自第201飛行隊との間で姉妹飛行隊交流をするよう命ぜられました。
第3飛行隊が選ばれた理由はかつて2名の日本人を受け入れた「縁」があるからです。1927(昭和2)年10月、大日本帝国海軍の亀井中尉が最初の留学生となり、続いてナンバ注大尉が組織、飛行運用などについて学びました。
そして、13(平成25)年7月、第3飛行隊の3名が空自千歳基地第201飛行隊を訪問しました。訪問の目的はおよそ90年前の日本人将校のそれと同じく、飛行運用についての情報共有の強化でした。特に、関心の高い事項は英空軍第3飛行隊が所在する英国コニングスビー基地および空自第201飛行隊が所在する空自千歳基地がともに任務としている領土防衛と対領空侵犯措置でした。
日本では、非常にあたたかいおもてなしをしていただき、両飛行隊の結束はより強いものとなりました。また、各々の活動についての情報共有は現在も引き続き行われています。本年夏頃に予定されている空自第201飛行隊の隊員の訪英による交流を非常に楽しみにしています。