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<VOICE>西太平洋潜水艦救難訓練(パシフィック・リーチ2013)に参加して

海自第2潜水隊群(広島県 呉市)
潜水艦救難艦「ちはや」 艦長 1等海佐
布田 英二(ふた えいじ)

「パシフィック・リーチ」は、潜水艦救難能力の向上と各国海軍との信頼関係の増進を目的として、西太平洋においてこの能力を有する国々によって実施される潜水艦救難訓練です。第6回となった本訓練は、00(平成12)年以降、2~3年間隔で実施されており、日本による開催は02(同14)年の第2回訓練に次いで2回目となりました。艦艇部隊の参加は日本、韓国、オーストラリアの3か国であり、コアとなる訓練調整組織には、さらに米国およびシンガポールが参加し、その他多数の国からオブザーバー参加を得ました。

13(同25)年9月に実施された本訓練は、台風の接近にともない訓練計画の変更を余儀なくされましたが、潜水艦救難艦「ちはや」の深海救難艇は、台風の余波による風浪が高い厳しい環境下で海底にある事故の発生を想定した潜水艦にドッキングし、乗員救出という任務を果たすことができました。荒天時においても淡々と任務を遂行したことで、海自の潜水艦救難能力の高さをアピールすることができ、世界でも屈指と評価されました。本訓練を通じて、相互に潜水艦救難にかかる知識・経験を積み重ねるとともに、参加した各国海軍などとの信頼関係をより一層深めることができたものと考えます。

「ちはや」救難指揮所の画像

潜水艦救難艦「ちはや」救難指揮所(RIC(RESCUE INFORMATION CENTER))において救難オペレーション中の筆者(中央)