Contents

コラム

防衛白書トップ > コラム > <VOICE>新しい世界 ~自衛官による自動車整備教育に参加して~

<VOICE>新しい世界 ~自衛官による自動車整備教育に参加して~

東ティモール国軍 後方支援隊 整備中隊 兵
アブラオン・デ・イエズス・メンデス

私は、軍人となることで東ティモールの独立を守り、社会の発展に貢献したいと思い、09(平成21)年に国軍に入隊しました。

整備中隊に配属されてから、先輩たちからタイヤ交換やオイル交換について教わりました。12(同24)年12月から防衛省による車両整備教育が始まり、第I期、第II期と教育に参加できたことは、とても幸せです。車両整備について体系的に学習する機会は、この国ではほとんどありません。特に第II期の後半は、自衛官による教育が始まり、新しい経験の連続でした。作業をする時は必ず声をかけ合ったり、休憩に入るたびに清掃をしたり。時間厳守や連絡の徹底にはなかなかなじめませんでしたが、こうした積み重ねが、チームワークや安全管理につながることを学びました。最後に教官が見せてくれた野外整備では、作業の早さに驚きました。私も一生懸命勉強し、いつか駐屯地に放置されているたくさんの不可動車を修理できるようになりたいです。

私は、自衛官の教育が好きです。教官は私たち一人ひとりの様子をよく見ていて、難しいところは繰り返し教えてくれます。休憩時間に、お互いテトゥン語と日本語を教え合い、毎日少しずつ会話ができるようになりました。

いつの日か、教官が勤務する自衛隊の整備場を見てみたいです。そして、今は何も持たない東ティモール軍が将来自分たちで自動車整備をできるように、これからも努力していきます。

筆者の画像

車両整備場にて(筆者)