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<VOICE>防衛駐在官(オーストラリア)

在オーストラリア日本国大使館 防衛駐在官 1等海佐
中村 浩之(なかむら ひろゆき)

首都キャンベラに所在する日本国大使館で勤務していると、日本とオーストラリアの防衛関係が加速度的に強まっていることを実感します。防衛省・自衛隊が参加する各種会議や訓練などの業務調整、そして軍事情報収集のための各国駐在武官との交流など、これらの頻度は明らかに増加の一途をたどっています。

マレーシア航空370便の捜索活動では、日豪関係の深化が目に見える形で現れました。自衛隊からは2機のP-3C哨戒機が西オーストラリアのパースに派遣されましたが、日豪訓練などで培った連携技量を発揮したオーストラリアとの共同捜索活動、日豪ACSAを活用した円滑な整備補給業務は、海自航空部隊と豪空軍哨戒部隊が実務的な相互運用能力を有することを証明したものだと思います。

国家安全保障戦略(NSS)において、オーストラリアは普遍的価値・戦略的利益を共有する国として協力関係を強化するとされています。オーストラリアは、今後2030(平成42)年を目途に国防力整備と国防組織の改革を行います。また、わが国周辺の平和と安定はオーストラリアの国益にもつながることから、今後、日本とオーストラリアが良好な関係を維持していく重要性はさらに増してきます。

現地での生活は、日本との文化や生活習慣の違いもあり、苦労することもありますが、防衛駐在官として日豪関係強化に関与できることを誇りに感じながらこれからも勤務するとともに、海外での生活を充実していきたいと思います。

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筆者(在豪日本大使館前にて)