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<VOICE>海洋安全保障の将来を担う若人へ -次世代海軍士官短期交流プログラム-

海上自衛隊幹部学校(東京都 目黒区)
企画部企画課 国際計画班長 1等海佐
猪森 聡彦(いのもり としひこ)

「次世代海軍士官短期交流プログラム」は、海軍による多国間協力の推進を目的に、海自幹部学校が毎年開催しているもので、少佐クラスの各国海軍士官が来日し、約2週間、本校指揮幕僚課程の学生である海上自衛官と交流するプログラムです。

このプログラムは00(平成12)年に開始し、当初は環太平洋諸国を対象としていましたが、10(同22)年からは南アジア、中東地域およびアフリカの国々にも対象を拡大し、内容を大きく発展させました。13(同25)年には23か国から参加を得ることができ、年々充実しています。

平成25年度は、「海軍が直面する課題」と題して、講義、研修および研究会を実施しました。講義では、わが国の安全保障政策などを説明し、各国参加者の理解を促進するとともに、研修では参加者が活発に交流を深めました。また、本校学生が中心となって企画した研究会では、海洋安全保障にかかる幅広い議論を行い、シーマンシップの共有を図ることができました。

参加者である少佐クラスの海軍士官は、ある程度の勤務経験と若者としての柔軟性を兼ね備えており、各国の将来と地域の安全保障を担う海軍士官たちが相互に交流するには最適な時期の交流プログラムであると感じています。10年後、15年後、この参加者たちが多国間海軍協力をさらに牽引し、海洋安全保障を担っていってくれるものと期待し、このプログラムに取り組んでいます。

ジブチ海軍の参加者の画像

海自幹部学校長から修業証書を授与されるジブチ海軍の参加者