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<VOICE>南海レスキュー実動演習

陸自善通寺駐屯地(香川県 善通寺市)
第14後方支援隊衛生隊 運用訓練幹部 3等陸尉
泉 裕治(いずみ ゆうじ)

13(平成25)年10月に陸自中部方面隊が実施した「南海レスキュー実動演習」は、南海トラフ地震の発生を想定したもので、高知県の協力のもと、対処要領および関係自治体などとの調整・連携要領を訓練しました。

私が所属する衛生隊は、県災害拠点病院に指定されている高知大学医学部付属病院と協力し、救護所や病室の開設および野外手術システムの展開を行うとともに、 DMAT1などの関係機関と連携し、救命処置を実施しました。この訓練では高知大学看護学部の学生が患者役となり、非常に臨場感をもって容体を伝えるとともに、身体の傷口も本物そっくりにメイクして実施されたため、現場には常に緊張感がありました。

また、広域搬送拠点2への急患輸送や孤立地域へのDMAT輸送などでは、海自艦艇および陸自ヘリコプターと密接に連携することができました。

南海トラフ地震ではきわめて甚大な被害が予想されますが、一人でも多くの生命を守るため、本演習での経験を活かし、今後もさらなる技量の向上に努めていきます。

容態確認を実施する陸自隊員の画像

DMATと連携して患者の容態確認を実施する陸自隊員

1 DMAT(Disaster Medical Assistance Team):災害急性期(発災後おおむね48時間以内)に活動するため機動性を保持した医療チーム

2 広域搬送拠点:被災地外に患者を搬送するため、一時的に患者を収容する施設など