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<解説>自衛隊操縦士の割愛(かつあい)

自衛隊操縦士の割愛は、最前線で活躍する若手の操縦士が民間航空会社などへ無秩序に流出することを防止するとともに、一定年齢以上の操縦士を民間航空会社などで活用する制度である。

自衛隊においては、操縦士の適正な年齢構成を確保するとともに、航空部隊の精強性を維持するため、62(昭和37)年より本制度を開始し、これまで戦闘機や輸送機などの操縦士約750人が民間航空会社などで活躍してきている。

国土交通省によると、アジア太平洋地域では航空需要の拡大などの影響により、30(平成42)年には現在の約4.5倍の操縦士が必要になり、年間約9,000人の操縦士が不足すると見込まれている。自衛隊操縦士は、民間航空会社、特に新規航空会社などにおいて即戦力としてのニーズが高いことから、自衛隊の任務遂行に支障を生じない範囲で、一定年齢以上の自衛隊操縦士を活用することは、わが国の航空業界などの発展という観点からも意義がある。

防衛省は、これまで割愛が担ってきた重要な役割にかんがみ、公務の中立性・公正性をより確保することに留意しつつ、14(平成26)年3月14日、割愛の再開を公表した。また、部隊運用を支えるため、割愛により再就職する操縦士を予備自衛官として任用することを推進する。