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<解説>防空・警戒監視態勢の強化について

空自においては、南西地域における防衛態勢の充実のため、那覇基地のF-15戦闘機部隊を1個飛行隊から2個飛行隊に増勢することとしているほか、周辺諸国の航空戦力の近代化に対応し、将来にわたって任務に適切に対応するため、既存のF-15戦闘機の近代化改修やF-2戦闘機の能力向上改修を行うとともに、平成24年度から取得を開始したF-35A戦闘機を引き続き整備することとしている。また、戦闘機部隊の運用態勢、南西地域の地理的特性などを踏まえ、戦闘機部隊などがわが国周辺空域などで各種作戦を持続的に遂行できるよう、必要となる空中給油・輸送機を新たに整備することとしている。

さらに、地対空誘導弾ペトリオットのさらなる能力向上を図り、巡航ミサイルや航空機への対処と弾道ミサイル防衛の双方に対応可能な新たな能力向上型迎撃ミサイル(PAC-3 MSE(Missile Segment Enhancement))を導入することとしている。

このような取組に加え、南西地域をはじめとするわが国周辺海空域において、周辺諸国の軍事的活動が活発化していることなどを踏まえ、平素から隙のない警戒監視態勢を確保するため、移動式警戒管制レーダーの展開基盤を南西地域の島嶼部に整備するとともに、現有のE-767早期警戒管制機の改善などを実施する。

14(平成26)年4月には、多くの島嶼を抱えるわが国の周辺空域の警戒監視にとって、固定式警戒管制レーダーを補完する警戒航空部隊の果たす役割が重要であることを踏まえ、那覇基地にE-2C早期警戒機からなる第603飛行隊を新編し、南西地域の警戒監視体制の一層の拡充が図られたところである。さらに、今後については、各種事態に対してその兆候段階から長期化した場合にも対応し得る警戒監視態勢を保持する必要があることから、新たな早期警戒(管制)機を整備していく。

F-15戦闘機の画像

F-15戦闘機

E-2C早期警戒機の画像

E-2C早期警戒機

F-35A戦闘機の画像

F-35A戦闘機