ロシアは、これまでに復活・強化の段階を終了したとし、豊かなロシアの建設を現在の課題としつつ、新たな経済力・文明力・軍事力の配置を背景に、影響力ある大国になることを重視している1。具体的には、天然資源依存型経済から脱却し、ロシアの伝統に基づく民主的政治制度を定着させ、また、汚職を撲滅するなど全面的な近代化が必要であると認識している。
00(平成12)年から08(同20)年の間、2期8年にわたり大統領を務めたプーチン首相(当時)が12(同24)年3月の大統領選挙に当選し、同年5月に大統領に就任した。
プーチン大統領が権力基盤を維持しつつ、いかに国内の支持を広げ、経済の構造改革などの近代化にかかわる諸課題に対応していくのか注目されている2。また、14(同 26)年3月のクリミア「編入」は、世論調査によると国民の圧倒的な支持を受けており、ソチ五輪の成功もあり、同大統領の支持率を大幅に引き上げる結果となっている。