在日米軍は、環境補足協定5や在日米軍が策定した日本環境管理基準(JEGS:Japan Environmental Governing Standards)に基づき、周辺の環境保護と米軍関係者や周辺住民の安全確保のため、適切な環境管理に努めている。
在日米軍施設・区域においては、エネルギー効率の良い暖房・換気・空調設備への交換、不在時に消灯する人感センサーの設置、太陽光発電パネルの設置、冷暖房の運用期間の短縮・設定温度の見直し、照明の制御や夜間照明の消灯などの光熱水料節約の取組を行っている。
在日米軍においても、2023年6月時点で本州に所在する全ての陸軍の施設、わが国における全ての海軍の施設、全ての海兵隊の施設と三沢飛行場(青森県)において泡消火薬剤の交換作業が完了し、2024年9月末までに、全ての在日米軍施設・区域において、原料にPFAS(ピーファス)6を含まない非フッ素泡消火薬剤への交換、または水消火設備へ移行する予定である旨の説明を防衛省・自衛隊は受けており、在日米軍全体として保有する泡消火薬剤の交換を順次進めている。
米軍施設や区域において、PFOSなどを含む水が部外へ漏出した際には、環境補足協定に基づき、関係自治体とともに施設の立入りやサンプリング調査などを実施している。防衛省としては、引き続き、関係省庁、関係自治体、米側と緊密に連携し、必要な対応を行っていくこととしている。
5 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定を補足する日本国における合衆国軍隊に関連する環境の管理の分野における協力に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定。環境分野における日米間の協力について、日米地位協定を補足するため2015年に締結したもの。環境に影響を及ぼす事故が現に発生した場合の米軍施設・区域内への立ち入り手続きの作成・維持や、米側による環境基準の作成・維持などについて定めている。
6 有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物やポリフルオロアルキル化合物の総称。撥水性、撥油性、耐熱性の性質を持ち、これまで泡消火薬剤や半導体用反射防止剤・レジスト、金属メッキ処理剤などに使用されてきたPFOSもこの中に含まれる。