防衛省・自衛隊の様々な活動は、国民一人一人、そして、地方公共団体などの理解と協力があってはじめて可能となるものであり、地域社会・国民と自衛隊相互の信頼をより一層深めていく必要がある。
国家防衛戦略は、自衛隊と在日米軍が、平素からシームレスかつ効果的に活動できるよう、自衛隊施設や米軍施設周辺の地方公共団体や地元住民の理解と協力をこれまで以上に獲得していくこととしている。
このため、日頃から防衛省・自衛隊の政策や活動、在日米軍の役割に関する積極的な広報を行い、地元に対する説明責任を果たしながら、地元の要望や情勢に応じた調整を実施することとしている。同時に、騒音などへの対策を含む防衛施設周辺対策事業についても、わが国の防衛への協力促進という観点も踏まえ、引き続き推進することとしている。
また、地方によっては、自衛隊の部隊の存在が地域コミュニティーの維持・活性化に大きく貢献し、あるいは、自衛隊による急患輸送が地域医療を支えている場合などが存在することを踏まえ、部隊の改編や駐屯地・基地などの配置・運営にあたっては、地方公共団体や地元住民の理解を得られるよう、地域の特性に配慮することとしている。
資料:防衛省における地域社会との協力について
URL:https://www.mod.go.jp/j/approach/chouwa/sesaku/index.html
防衛省・自衛隊は、地方公共団体や関係機関などからの依頼に基づき、様々な分野で民生支援活動を行っている。これらの活動は、自衛隊への信頼をより一層深めるとともに、隊員に誇りと自信を与えている。
石垣駐屯地創立1周年記念行事における「ドーラン」体験の様子
(2024年3月)
陸自は、全国各地で発見される不発弾などの処理にあたっており、2023年度の処理実績は2,348件(約37.5トン)で、沖縄県での処理件数が全体の約19%を占めている。海自は、機雷などの除去・処理を行っており、2023年度の処理実績は、197個(約4.1トン)であった。
また、駐屯地や基地を部隊活動に支障のない範囲で開放するなど、地域住民との交流に努めるほか、各種の運動競技会において輸送などの支援を行っている。加えて、一部の自衛隊病院1や防衛医科大学校における一般診療、離島の救急患者の緊急輸送などにより、地域医療を支えている。
さらに、国などの方針2を踏まえ、分離・分割発注3の推進や同一資格等級区分内の者による競争の確保4、オープンカウンター方式5の導入など、効率性にも配慮しつつ、地元中小企業の受注機会の確保も図るなど、地元経済に寄与する各種施策を推進していく。
1 一般診療を行っている自衛隊病院は、2024年3月31日現在、自衛隊中央病院、自衛隊札幌病院、自衛隊仙台病院、自衛隊入間病院、自衛隊横須賀病院、自衛隊富士病院、自衛隊阪神病院、自衛隊福岡病院。
2 令和6年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針(令和6年4月19日閣議決定)
3 例えば、一般競争入札に付す際に、商品などを種類ごとにグルーピングし、そのグループごとに落札者を決定する方法。
4 A~D等級に分類された入札参加資格のうち、中小企業が多くを占めるCまたはD等級のみで競争することとしている。
5 発注者が見積りの相手方を特定せず、調達内容などを公示し、参加を希望する者から広く見積りを募る方式。