防衛省・自衛隊の活動は、国民一人一人の理解と支持があって初めて成り立つものであり、広報活動は、国民の信頼と協力を得るために重要である。このため、防衛省・自衛隊の活動について、国民にとって分かりやすい広報活動を様々な方法で、より積極的に行っていくこととしている。
また、自衛隊が任務を安定的に遂行するためには、諸外国の理解と支持も不可欠であることから、自衛隊の海外における活動を含む防衛省・自衛隊の取組について、国際社会に向けた情報発信を強化することも重要である。
参照資料78(「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」抜粋(内閣府大臣官房政府広報室))
防衛省・自衛隊は、公式ホームページ、SNS(Social Networking Service)、動画配信など、インターネットを活用した積極的な情報発信に取り組んでいる。また、パンフレットや広報動画の作成、広報誌『MAMOR(マモル)』への編集協力、報道機関への取材協力、講義や講演への講師派遣など、正確な情報を、幅広く、適時に提供するよう努めている。加えて、若年層に対する情報発信のための取組として、『防衛省・自衛隊KIDS SITE』において動画を含む若年層向けコンテンツを掲載するほか、小学校高学年から高校生を対象とした『まるわかり!日本の防衛~はじめての防衛白書~』も発行している。
さらに、防衛省・自衛隊の活動が世界中に広がるなか、国際社会に対して、その活動を正確に広報し、諸外国の理解と信頼を得ることが大変重要である。そのための取組として、英語による情報発信を行っており、特に、英語版防衛省ホームページの一層の充実とSNSを活用した迅速かつ分かりやすい情報発信を英語で積極的に行っているほか、海外メディアへの取材機会の提供、英語版防衛白書の作成、英文広報パンフレット『Japan Defense Focus(JDF)』の発行など様々な方法により国際社会に向けた情報発信を行っている。
参照図表IV-4-3-1(防衛省・自衛隊のSNS利用状況(フォロワー数))、巻末資料「平和を仕事にする」
防衛省・自衛隊では、自衛隊の現状を広く国民に紹介する活動を行っている。この活動には、陸自の富士総合火力演習1や海自の体験航海、空自のブルーインパルスによる展示飛行などがある。また、全国に所在する駐屯地や基地などでは、部隊の創立記念日などに、装備品の展示や部隊見学などを行うとともに、地元の協力を得て、市中でのパレードを行っている例もある。さらに、自衛隊記念日記念行事の一環として、自衛隊音楽まつりを毎年開催している。
令和5年度自衛隊音楽まつりの様子(2023年11月)
また、陸・海・空自がそれぞれ主担当となり、観閲式、観艦式、航空観閲式のいずれかを毎年行っている。2023年は、空自入間基地(埼玉県)において、航空観閲式を実施した。
広報施設の公開にも積極的に取り組んでいる。市ヶ谷地区内の施設見学(市ヶ谷台ツアー)では、大本営地下壕跡も公開されており、2024年3月末現在までに約48万9,700人の見学者が訪れている。そのほか、各自衛隊において、広報館や史料館などを公開している。
動画:令和5年度富士総合火力演習
URL:https://www.youtube.com/watch?v=GY2bqfCaSGk
動画:令和5年度自衛隊音楽まつり
URL:https://youtu.be/nqy0JOfFq70
防衛省・自衛隊は、大学生・大学院生または女性を対象とした自衛隊生活体験ツアー2や、団体・企業などを対象とした隊内生活体験3を行っている。これらは、自衛隊の生活や訓練を体験するとともに、隊員とじかに接することにより、防衛省・自衛隊に対する理解を促進するものである。
帯広駐屯地(北海道)における生活体験の様子