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第IV部 共通基盤の強化

2 ハラスメント根絶に向けた措置に関する防衛大臣指示など

2022年9月、浜田防衛大臣(当時)は、「ハラスメントの根絶に向けた措置に関する防衛大臣指示」を発出し、①全職員に対し、改めてハラスメントの相談窓口・相談員を周知徹底のうえ、相談・通報を指示すること、②現在のハラスメント相談の対応状況を緊急点検し、全ての案件に適切に対応すること、③全自衛隊を対象とした特別防衛監察の実施、④ハラスメント防止対策の抜本的見直しのための有識者会議の設置、を指示した。

また、後述する「防衛省ハラスメント防止対策有識者会議」の提言を受け、2023年8月、全隊員に向けて、浜田防衛大臣(当時)はトップメッセージを発出し、ハラスメントを一切許容しない環境の構築は、隊員一人一人に課せられた責務であり、抜本的対策を早急に検討・確立することが急務であることを示した。

同年10月には、海上自衛隊で生起したハラスメント事案2などを受け、木原防衛大臣が「ハラスメント対応の厳正な措置に関する防衛大臣指示」を発出し、特別防衛監察で申出のあった案件の速やかな調査の実施、個別案件の緊急点検、未報告案件の速やかな報告によって、全てのハラスメント案件の厳正な対応を指示した。また、全隊員向けと司令官・管理職向けに、木原防衛大臣はトップメッセージを発出し、隊員一人一人が当事者意識を持ち、ハラスメント防止に取り組むこと、被害を受けた際は、躊躇なく相談すること、被害を目撃、あるいは相談を受けた際は、被害隊員に寄り添うことを第一に、躊躇なく、しかるべき処置をとることなどを示した。

ハラスメント根絶などについて訓示する木原防衛大臣

ハラスメント根絶などについて訓示する木原防衛大臣

2 2022年12月、勤務中にセクシュアル・ハラスメントを受けたとして上官に報告した海上自衛官が、本人の意向に反し、加害者の隊員との面会、謝罪を受けさせられた事案が生起した。加害者の隊員および上官は、2023年11月にそれぞれ10か月および3か月の停職処分を受けた。