今後、わが国は、安全保障の現実に正面から向きあい、従来の延長線上ではない真に実効的な防衛力で新たな防衛力を構築するため、防衛力の質及び量を必要かつ十分に確保していく必要があります。
特に、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域については、わが国としての優位性を獲得することが死活的に重要となっており、陸・海・空という従来の区分に依拠した発想から完全に脱却し、全ての領域を横断的に連携させた新たな防衛力(多次元統合防衛力)の構築に向け、従来とは抜本的に異なる速度で変革を図っていく必要があります。
領域横断作戦を実現するため、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域における能力を獲得・強化します。
Xバンド防衛通信衛星(イメージ)
サイバーコンテストの開催
戦闘機(F-15)の電子戦能力の向上(イメージ)
領域横断作戦の中で、新たな領域における能力と一体となって、航空機、艦艇、ミサイルなどによる攻撃に効果的に対処するための能力を強化します。
護衛艦「いずも」
JASSM(イメージ)
イージス・アショア(イメージ)
輸送機(C-2)
平時から有事までのあらゆる段階において、必要とされる各種活動を継続的に実施できるよう、後方分野も含めた防衛力の持続性・強靭性の強化に必要な措置を推進します。
装備品の維持整備
滑走路被害復旧機材
一方、急速な少子高齢化や厳しい財政状況を踏まえれば、過去にとらわれない徹底した合理化なくして、かかる防衛力の強化を実現することはできません。
防衛力の中核である自衛隊員の人材確保と能力・士気の向上に努めます。
女性初の戦闘機操縦者
現有の装備体系を統合運用の観点も踏まえて検証し、合理的な装備体系を構築します。
12式地対艦誘導弾
防衛力の強化に当たっては、特に優先すべき事項について可能な限り早期に強化することとし、既存の予算・人員の配分に固執することなく、資源を柔軟かつ重点的に配分することとしています。