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<VOICE>議長国として国連PKO工兵部隊マニュアルの改訂に携わって

施設学校(茨城県ひたちなか市)
国際平和協力活動幹部 3等陸佐 加地 貴一(かじ きいち)

国連は、国連PKO参加各国の参考文書として、航空、通信、輸送、後方支援などの10個の分野に関する国連部隊マニュアルを作成しています。その一つが「工兵マニュアル」であり、PKOに参加する工兵部隊の活動の目的、任務、能力、訓練などの基準を規定する内容となっています。2018年12月、東京において実施された専門家会合は、2019年夏頃までの改訂作業の中で行われる計4回の専門家会合の第1回目となるもので、国連のほか日本をはじめとする10か国の参加を得て開催されました。

私は、改訂作業を主導する議長(施設学校主任教官)の補佐として、会合の運営にかかる各種調整や「工兵マニュアル」の案文の作成などの改訂に関わる実務を担当しています。国連及び諸外国の専門家との調整を要する業務であり、会合当日に顔を合わせるまでは、かなりのプレッシャーと不安がありましたが、フランクな専門家達と接していく中で、お互いをファーストネームで呼び合うくらい関係を深め、円滑に会合を進行することができました。

本事業は、わが国から国連に対する知的貢献策の一つであり、私が陸上自衛隊で培った知識が多少なりとも国連のためとなることに大変やりがいを持つとともに、PKOに参加する世界中の工兵の能力向上に対する責任を感じています。

改訂の要領について説明する筆者

改訂の要領について説明する筆者

全体記念写真:筆者中段左から1人目

全体記念写真:筆者中段左から1人目