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<解説>警戒航空団の新編

警戒航空隊は、空中レーダーを搭載する早期警戒管制機(E-767)と早期警戒機(E-2C)を保有する唯一の部隊であり、昭和61年の新編以降、その特性を活かし、平素から地上の警戒管制レーダーにより監視することが困難な空域の警戒監視にあたっています。

近年、中国軍機の西太平洋への進出やロシア軍機のわが国周辺の長距離飛行など、これまで警戒監視に任ずる部隊を設置していない太平洋側の島嶼部において、周辺国の軍事活動が急速に拡大・活発化しており、これらの空域を早期警戒管制機などにより警戒監視することの重要性が高まっています。

このような状況を踏まえ、早期警戒管制機などの運用態勢を強化するため、令和元(2019)年度に警戒航空隊を警戒航空団として格上げして新編することとしており、太平洋側の広大な空域を含むわが国周辺空域における防空態勢の充実が期待されています。

なお、航空自衛隊は、警戒航空隊の保有する早期警戒管制機などの能力を順次向上させており、新たな早期警戒機であるE-2Dを導入するほか、現有のE-767の中央計算装置の換装及び電子戦支援装置の搭載などに必要な機体改修を実施するなど、早期警戒管制機などの一層の能力向上を図っていきます。