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第II部 わが国の安全保障・防衛政策

5 25大綱

25大綱7は、わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、いわゆるグレーゾーンの事態を含め、自衛隊の対応が求められる事態が増加するとともに長期化しつつある中、自衛隊の活動量を下支えする防衛力の「質」と「量」の確保が必ずしも十分とは言えない状況を踏まえて策定された。

このような反省点に立って、25大綱は、より統合運用を徹底し、装備の運用水準を高め、その活動量をさらに増加させるとともに、各種活動を下支えする防衛力の「質」と「量」を必要かつ十分に確保し、抑止力及び対処力を高めていくこととした。このため、自衛隊全体の機能・能力に着目した統合運用の観点からの能力評価を実施し、総合的な観点から特に重視すべき機能・能力を導き出すこととした。このような能力評価の結果を踏まえることで、刻々と変化するわが国を取り巻く安全保障環境に適応し、メリハリのきいた防衛力の効率的な整備が可能となった。あわせて、後方支援基盤をこれまで以上に幅広く強化し、最も効果的に運用できる態勢を構築することとした。

このように、25大綱は、多様な活動を状況に臨機に即応して機動的に行い得る、より実効的な防衛力である「統合機動防衛力」を構築することとした。

参照図表II-3-1-1(防衛力の役割の変化)

図表II-3-1-1 防衛力の役割の変化

7 「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱について」(平成25年12月17日国家安全保障会議及び閣議決定)