防衛省・自衛隊において、ワークライフバランスを図るための様々な制度などを活用・実施している隊員の声を紹介します。
空自 空自戦術教導団 2等空曹 富永 将幸
私は、航空機整備員として、年間を通じて出張が多い職場に勤務しています。早朝からの出勤、時には寝静まる時間帯の帰宅といった厳しい勤務環境ではありますが、育児参加に理解のある職場であったため、30日間の育児休業取得を決意しました。
始めは抱っこするだけでも緊張し、おむつ替えは戸惑いを感じ、沐浴では泣きじゃくる赤ん坊をどうあやせばよいのか分からない状態でした。しかし、今回の育児休業のおかげで、時間的な余裕が十分にあり、穏やかな気持ちで喜びに満ちあふれた貴重な時間を家族で過ごすことができ、子供や妻の笑顔を見ることで父親としての自信も生まれ、かけがえのない経験をすることができました。
今後は、本気で育児に向き合えるこのすばらしい制度の活用を希望できる職場環境づくりの一役を担えたらと思っています。
事務官 人事教育局人材育成課 本保 均
妻の入院及び療養に伴い、育児や家事を行うための時間を確保する必要があったところ、今年度から本格的に導入されたテレワークを利用して約2週間在宅勤務を行いました。
テレワークの最大の長所は、自宅にいながら職場の通信システムにアクセスして業務を実施できる点です。私は職場の協力を得ながらテレワークを最大限に活用し、業務と育児・家事を両立させることができました。また、職場に復帰してからも、容易に業務に取りかかることができました。
テレワークにより新たな発見もありました。平日は業務のためほとんど妻に任せていた育児や家事を自ら経験することによって、子供の普段の生活状況を把握することができたほか、夫婦で協力して育児や家事を行うことの大切さを改めて認識しました。
今後も、テレワークを手軽に活用できるような環境づくりを進めていくことが、ワークライフバランスを実現する上で大切だと思います。
海自 海自横須賀弾薬整備補給所 2等海曹 徳江 和(わたる)
私たち夫婦は共に海上自衛官として勤務しています。家族構成は私と妻、4歳、2歳の男の子です。私も妻も実家が遠方であり、両親や親族の支援が得られないため、妻の妊娠当初から妻の育児休業が終わった後の保育園の送迎などをどうすれば良いかと悩んでいました。そんな時に上司から、海自にも家庭の事情に応じて勤務時間の融通が図れる「フレックスタイム制度」があることを教えて頂きました。私たち夫婦は当直日が重ならないように調整するほか、このフレックスタイム制度を活用し、朝夕の保育園の送迎や夕食当番、子供の通院、入浴などの家事分担をやりくりして子育てをしています。育児休業中は職業の継続を諦めかけていた妻も、この制度のおかげで安心して復職することができました。また私自身も、フレックスタイム制度を利用することで、憂いなく勤務に集中し、家庭と仕事を両立することができています。私たち家族を温かく支えてくれている同僚や、上司の皆さんの理解と協力に感謝しています。
陸自 陸上幕僚監部防衛課長 1等陸佐 松永 浩二
我が防衛課は、陸自に関する広範多岐にわたる部内外との調整、会議などにより、業務は深夜に及ぶことが多く、休日出勤も珍しくありません。このような中、課員は個々の能力を最大限に発揮することが求められていますが、私はその能力の発揮を支えるものは、家庭や職場の仲間であると考えております。
家族に少しでも心配なことがあれば、仕事に集中することは難しく、同僚を信頼することができなければ、困難な問題にも一人で向き合わなくてはなりません。そのような考えの下、管理者として、努めて早く方針を示し、仕事の進め方について悩む時間を減らすように努めるとともに、入学式、卒業式、授業参観などに気兼ねなく参加できる職場の雰囲気作りに取り組んでいます。
課員がかけがえのない家族と過ごす機会を増やすとともに、組織として支えあうことで、防衛課として最大限の成果を獲得できるよう、自ら「育ボス宣言」を行い、仕事と家庭の両立の実践に努めているところです。