陸自中央音楽隊(東京都練馬区)
1等陸尉 守屋 陽介(もりや ようすけ)
パプアニューギニア軍に対する能力構築支援は、平成30年にパプアニューギニアで開催されるAPEC首脳会談の各種式典において各国国歌を演奏することを目標として、軍楽隊をゼロから育成するため28年から開始されました。私は、29年1月から教官5名のチームリーダーとしてパプアニューギニアに派遣され、軍楽隊要員42名に対し楽器奏法、音楽理論、ソルフェージュ(読譜や音感の訓練)を教育しました。
訓練生のほとんどはドレミという言葉も馴染みがない状態で教育を開始しました。APEC参加国すべての国歌を式典で演奏するためには相当な技術が必要ですが、APECまで約1年半と迫っており、私たちが帰国し一時不在とする間にも効果的な訓練が続けられるよう、基礎を徹底的に練習しました。地味で退屈な基礎の練習はかなり辛かったはずですが、彼らは常に熱心で、貪欲に知識や技術を吸収し、着実にレベルアップしてくれました。半年後に我々が再び派遣されるころには、彼らの演奏技術はさらに上達しており、本格的な演奏の指導に取りかかることができるはずです。
APECでの演奏はとても大きな目標ですが、多くの国民に愛される素晴らしい軍楽隊として成長し、いつか私たちと同じステージで演奏できることを期待しています。
合奏訓練の様子