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第III部 国民の生命・財産と領土・領海・領空を守り抜くための取組

2 大量破壊兵器の不拡散などのための国際的な取組

1 拡散に対する安全保障構想

北朝鮮やイランなどが大量破壊兵器・ミサイル開発を行っているとして強く懸念した米国は、03(平成15)年5月、「拡散に対する安全保障構想(PSI:Proliferation Security Initiative)5」を発表し、各国に同取組への参加を求めた。同構想に基づき、大量破壊兵器などの拡散阻止能力の向上のためのPSI阻止訓練などをはじめ、政策上、法制上の課題の検討のための会合を開催するなどの取組が行われている。

防衛省・自衛隊は、関係機関・関係国と連携し、第3回のパリ総会(03(同15)年9月)以降、各種会合に自衛官を含む防衛省職員を派遣するとともに、04(同16)年からは、継続的に訓練に参加している。

現在まで、外務省、警察庁、財務省、海上保安庁など各関係機関と連携しつつ、わが国主催のPSI海上阻止訓練を2回行うとともに、12(同24)年7月にはわが国として初の主催となるPSI航空阻止訓練を行った。

防衛省としては、わが国周辺における拡散事例などを踏まえ、平素からの大量破壊兵器などの拡散防止や、自衛隊の対処能力の向上などの観点から、各種訓練や会合への参加や主催のほか、PSIを含む不拡散体制の強化のための活動に努めている。

参照図表III-2-4-2(PSI阻止訓練への防衛省・自衛隊の参加実績(平成24年度以降))

図表III-2-4-2 PSI阻止訓練への防衛省・自衛隊の参加実績(平成24年度以降)

2 大量破壊兵器の不拡散に関する国連安保理決議第1540号

04(同16)年4月、国連安保理において、非国家主体が大量破壊兵器などを取得、開発、使用、拡散することに、国際社会が対応する基盤を提供することなどを内容とした大量破壊兵器の不拡散に関する国連安保理決議第1540号が全会一致で採択された。わが国としては、この決議の採択を支持するとともに、すべての国連加盟国がこの決議を遵守することを期待している。

5 大量破壊兵器及びその関連物資などの拡散を防止するため、既存の国際法、国内法に従いつつ、参加国が共同して取り得る措置を検討し、また、同時に各国が可能な範囲で関連する国内法の強化にも努めようとする構想