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資料10 内閣官房長官談話

平成25年12月17日

1 政府は、本日、国家安全保障会議及び閣議において、「国家安全保障戦略」、「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱」及び「中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)」を決定いたしました。

これら3つの文書は、先日の国家安全保障会議の設置に続く、安倍内閣の安全保障政策の重要な柱となるものです。

2 我が国の安全保障をめぐる環境は、一層厳しさを増しています。豊かで平和な社会を引き続き発展させていくためには、我が国の国益を長期的視点から見定めた上で、国家安全保障のための方策に取り組んでいく必要があります。

このような考えの下、9月の総理指示に基づき、我が国で初めて、国家安全保障に関する基本方針として、外交政策及び防衛政策を中心とした「国家安全保障戦略」を策定いたしました。

3 本戦略においては、国家安全保障の基本理念として、国際協調主義に基づく積極的平和主義を掲げております。

我が国が、平和国家としての歩みを堅持しつつ、また、国際社会の主要プレーヤーとして、米国を始めとする関係国と緊密に連携しながら、我が国の安全と地域の平和と安定を実現しつつ、国際社会の平和と安定、そして繁栄の確保に、これまで以上に積極的に寄与していくとの考えを明らかにしております。

4 こうした基本理念の下、我が国の国益と国家安全保障の目標を示した上で、我が国が直面する国家安全保障上の課題を特定し、こうした課題への対応を的確に行うための戦略的アプローチとして、総合的な施策を明記しています。

政府としては、先日設置された国家安全保障会議の司令塔機能の下、本戦略に従って、国家安全保障政策を一層戦略的かつ体系的に実施し、国家安全保障の確保に万全を期す考えです。

5 「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱」については、本年1月に閣議決定された「平成25年度の防衛力整備等について」に基づいて、「国家安全保障戦略」を踏まえ、今後の我が国の防衛の在り方について新たな指針を示す文書として策定したものです。

6 新「防衛大綱」では、国際協調主義に基づく積極的平和主義の下、総合的な防衛体制を構築し、各種事態の抑止・対処のための体制を強化するとともに、外交政策と密接な連携を図りながら、日米同盟を強化しつつ、諸外国との二国間・多国間の安全保障協力を積極的に推進するほか、防衛力の能力発揮のための基盤の確立を図ることとしております。

7 我が国の防衛力については、多様な活動を統合運用によりシームレスかつ状況に臨機に対応して機動的に行い得る実効的なものとしていくため、幅広い後方支援基盤の確立に配意しつつ、高度な技術力と情報・指揮通信能力に支えられ、ハード及びソフト両面における即応性、持続性、強靭性及び連接性も重視した「統合機動防衛力」を構築することとしております。

8 「中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)」は、新「防衛大綱」に定める我が国が保有すべき防衛力の水準をおおむね10年で達成するために策定したものであり、当初5年間に達成すべき計画であります。

9 新「中期防」におきましては、「統合機動防衛力」を構築するため、統合機能の更なる充実に留意しつつ、特に、警戒監視能力、情報機能、輸送能力及び指揮統制・情報通信能力のほか、島嶼部に対する攻撃への対応、弾道ミサイル攻撃への対応、宇宙空間及びサイバー空間における対応、大規模災害等への対応並びに国際平和協力活動等への対応のための機能・能力を重視するとの方針の下、防衛力の役割を実効的に果たすための主要事業を掲げております。

10 本計画の実施に必要な防衛力整備の水準に係る金額は、平成25年度価格でおおむね24兆6千7百億円程度を目途としております。本計画期間中、調達改革等を通じ、一層の効率化・合理化を徹底した防衛力整備に努め、おおむね7千億円程度の実質的な財源の確保を図り、本計画の下で実施される各年度の予算の編成に伴う防衛関係費は、おおむね23兆9千7百億円程度の枠内とすることとしております。

11 我が国の安全保障を十全に確保するためには、これを支える国内基盤の強化と内外における理解の促進が不可欠であり、政府は、今回の決定を国会に御報告するとともに、積極的な情報発信に努めてまいります。

国民の皆様におかれましても、御理解と御協力を切に希望する次第であります。