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第I部 わが国を取り巻く安全保障環境

第7節 オーストラリア

1 全般

オーストラリアは、自由と人権の尊重、民主主義といった普遍的な価値をわが国と共有し、日本や韓国と同様、米国と同盟関係にある。オーストラリアはインド洋から東南アジアを経て太平洋に至るインド洋・太平洋地域と同地域における安全保障の枠組みの発展が同国の戦略環境に大きな影響を与えるという認識のもと、同地域を戦略的焦点として優先するとしている。オーストラリアでは、13(平成25)年9月の連邦議会選挙の結果、労働党から保守連合へと政権が交代したが、アボット新政権も前政権と同様に、アジア太平洋およびインド洋地域を重視する姿勢を示している。新政権の国防政策については、連邦議会選挙から18か月以内に現行の国防白書1に代わる新たな国防白書を発表して提示するとしており、見直しの作業が行われている。アボット政権は、連邦議会選挙時の公約において、新たな国防白書では、明確な軍事戦略と財政的に実現可能な豪軍の戦力構成に整合した国防政策がその核心になると説明している。

1 オーストラリアの国防白書は、国防に関する政府の将来計画および実現策を示すものであり、76(昭和51)年、87(同62)年、94(平成7)年、00(同12)年、09(同21)年および13(同25)年に発表されている。