ダイジェスト 

第4章 国際的な安全保障環境の改善のための主体的・積極的な取組


 
ヨルダンにおいてC-130H輸送機の整備を行う隊員

国際平和協力活動への取組

 91(平成3)年に初めて自衛隊の部隊をペルシャ湾に派遣して以来、10年以上が経過した。この間、自衛隊は、様々な海外での活動に部隊などを派遣しており、派遣された部隊は関係諸国と良好な関係を築きながら任務を確実に行ってきた。
 それにより、自衛隊の活動に対する国民からの理解と期待が増大し、国際的な評価も高まってきている。
 また、昨年12月に策定された新防衛大綱では、わが国に脅威が及ばないようにするため、国際的な安全保障環境を改善するため国際社会が協力して行う活動、いわゆる国際平和協力活動に主体的・積極的に取り組むこととしている。
 これらを踏まえて、防衛庁・自衛隊では、国際平和協力活動に積極的に取り組んでおり、現在、イラク人道復興支援特措法やテロ対策特措法に基づく活動、ゴラン高原国際平和協力業務を行うとともに、国際緊急援助活動の任務に対応できる態勢を維持している。
 4章1節では、これら国際平和協力活動の内容を説明するとともに、今後の防衛庁・自衛隊における取組の方向性について説明する。

 
バンダ・アチェ空港で航空端末輸送を行うSH-60J搭載ヘリと航空幹線輸送を行うC-130H輸送機

 
日本・イラク友好協会会長(左)より派遣継続を要望するサマーワ市民の署名を受け取る外務省サマーワ事務所長(右)と第3次イラク復興支援群長(中)

 
イラクの少女に折り紙を教えている女性自衛官

 
インド洋において補給活動を行う隊員

 
スマトラ島沖において輸送艦「くにさき」上空を飛行するSH-60J搭載ヘリ(左)、CH-47JA輸送ヘリ(中)とUH-60JA多用途ヘリ(右)

 
バンダ・アチェにおいて防疫活動を行う隊員

国際社会における協力の基盤づくりへの取組

 冷戦終結後、安全保障環境を改善するため、世界各国がその保有する軍事力や国防政策の透明性を高め、防衛当局者間の対話・交流、各種共同訓練などを通じて相互の信頼関係を深めることで、無用な軍備増強や不測の事態の発生とその拡大を抑えることが重要との認識が共有されることとなった。さらに、近年、国家間の相互依存が拡大・深化したことに伴い、二国間及び多国間の連携・協力関係の充実・強化が図られている。
 新防衛大綱では、国際的な安全保障環境の改善のため、平素より、各種二国間・多国間訓練を含む安全保障対話・防衛交流の推進や国際連合を含む国際機関などが行う軍備管理・軍縮分野への協力など、国際社会の平和と安定に資する活動を積極的に推進することとしている。
 これらを踏まえて、防衛庁・自衛隊は、防衛首脳レベルや部隊レベルなど様々なレベルでの二国間の交流や安全保障対話、多国間共同訓練、専門的な識見を生かした軍備管理・軍縮分野への協力など重視しており、今後とも関係諸国の動向を見極めつつ、その内容を深め、幅を広げることで、安全保障環境の改善に向けて積極的に取り組んでいる。
 4章2節では、現在、防衛庁・自衛隊が取り組んでいる国際社会における協力の基盤づくりについて説明する。

 
ロシア極東軍管区の部隊訓練の説明を受ける北部方面総監(左)

 
ニュージーランド空軍の哨戒機(P-3K)の機内説明を受ける海自隊員

 
防衛研究所主催で行われたアジア・太平洋諸国安全保障セミナー

 
空自C-1輸送機の韓国訪問時に挨拶を交わす空輸隊隊長(右)

 

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