陸自は、2023年8月から9月にかけて、米・インドネシア陸軍主催、オーストラリア、英国、シンガポール参加による多国間共同訓練に参加した。本訓練では、空挺作戦および水陸両用作戦による島嶼奪回を共同で演練した。また、戦闘射撃訓練では、共同による攻撃戦闘を実射・実爆で演練するなど、島嶼奪回における作戦遂行能力、参加国との連携を強化した。
動画:スーパー・ガルーダ・シールド(陸上自衛隊)
URL:https://youtu.be/IPs9uibILOE?si=h8sBleNXVcRQc7VN
陸自は、2023年6月から7月にかけて、モンゴル・米国主催の多国間訓練に参加した。モンゴルで実施される本訓練は、国連PKO(Peacekeeping Operations)にかかる能力向上を目的とした世界最大級の多国間訓練であり、陸自は2015年以降、部隊を派遣している。「カーン・クエスト23」では、指揮所訓練や車列警護、文民保護などの実動訓練に参加し、PKOなどへの派遣に資する各種能力の維持・向上、ノウハウの獲得・蓄積および参加各国との相互理解の促進・信頼関係を強化した。
海自は、2023年4月から9月の4か月以上にわたり、護衛艦5隻、潜水艦1隻を含む水上・潜水艦の各部隊を派遣し、インド太平洋地域において航行する間、16か国、19寄港地を訪問し、17件の共同訓練・8件の親善訓練を実施した。
IPD部隊の一部は、米国主催LSGEに参加し、インド太平洋地域においてハイエンドな内容を含む訓練を実施した。また、インド海軍と「JIMEX2023」、米・カナダ海軍と日米加共同訓練「ノーブル・スティングレイ2」を実施したほか、米豪主催多国間共同訓練「タリスマン・セイバー23」、日米印豪共同訓練「マラバール2023」といった豪海軍が主催する共同訓練に参加した。
さらに、IPD23部隊は、初となる日米豪比(フィリピン)4か国共同訓練に引き続き、米・豪海軍とのマニラへの共同寄港、日米豪比艦隊司令官などによる南シナ海の状況視察、日米比艦隊司令官懇談を実施するなど、日米比、日米豪比の連携を強化した。
太平洋島嶼国では、パプアニューギニア軍、キリバス警察と初の親善訓練などを実施し、わが国が同地域に継続的に関与する意志を示すとともに、寄港した6か国の太平洋島嶼国との各種交流を通じ、相互理解を促進した。
動画:令和5年度インド太平洋方面派遣 IPD23 第2水上部隊 活動記録
URL:https://www.youtube.com/watch?v=x386tnv96MA
海自は、2023年1月から5月にかけて、インド太平洋・中東方面に掃海母艦などを派遣し、ペルシャ湾(バーレーン王国および同周辺海域)で実施された米国主催国際海上訓練(IMX/CE23:International Maritime Exercise/CUTLASS EXPRESS 2023)に参加し、主催の米国をはじめ、参加国海軍(英国、アラブ首長国連邦(UAE:United Arab Emirates)、オマーン、サウジアラビア、バーレーンなど)と連携強化を図った。また、派遣に際し、インド、バングラデシュ、カンボジアなどに寄港し、これらの国を含む各国海軍などとの親善訓練などを通じて、同地域の安定と繁栄に深くコミットしていくというわが国の意思を示した。
陸自および海自は、2023年7月から8月にかけて、オーストラリアで実施された「タリスマン・セイバー23」に参加した。本訓練は、米豪軍が主催する多国間訓練の中で最大規模のものであり、本年は日米豪を含む13か国が参加した。陸自は、水陸機動団、第2高射特科群などが水陸両用作戦や、ミサイルの実射射撃3を含む対空戦闘、対艦戦闘にかかる訓練を実施した。海自は、IPD部隊の護衛艦「いずも」、輸送艦「しもきた」が本訓練に参加し、米海軍などとともに水陸両用作戦訓練などを実施し、戦術技量の向上および参加国との連携を強化した。
「タリスマン・セイバー23」に参加する陸・海自部隊(2023年7月~8月)
動画:タリスマン・セイバー23
URL:https://youtu.be/VQd81bYj31k?si=jALGVethhKM-rE9a
空自は、2023年8月、フィリピンで実施された米比主催多国間共同訓練「パシフィック・エアリフト・ラリー」に初めて参加した。本訓練は、HA/DRにかかる能力向上、参加国空軍との連携強化を目的としたものであり、物料投下訓練、共同搭載しゃ下訓練などを行った。また、同訓練参加にあわせて、日比人道支援・災害救援共同訓練を実施し、HA/DRにかかる能力の向上およびフィリピンを含む参加国空軍との連携強化を図った。
空自は、2023年12月、ミクロネシア連邦などにおいて米空軍が実施する「クリスマス・ドロップ」に参加した。空自からはC-130H輸送機が参加し、米軍が収集した日用品などの寄付物資を用いて海上への物料投下訓練を実施し、空自のHA/DR能力の向上や参加各国との連携強化を図った。
クリスマス・ドロップ
参照図表IV-3-1-2(同志国などとの二国間・多国間による主要訓練)、資料58(多国間共同訓練の参加など(2020年度以降))