人口減少・少子高齢化の急速な進展や厳しい財政事情を踏まえれば、領域横断作戦に対応できる十分な能力を獲得するためには、装備体系の合理化などにかかる取組を一層推進することが必要不可欠である。
防衛力整備計画では、重要度の低下した装備品の運用停止、費用対効果の低いプロジェクトの見直しなどを行うこととしている。特に、陸自については、航空体制の最適化のため、一部を除き師団・旅団の飛行隊を廃止し、各方面隊にヘリコプター機能を集約する。また、AH-1S対戦車ヘリコプター、AH-64D戦闘ヘリコプターやOH-1観測ヘリコプターの機能を多用途/攻撃用無人機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)や偵察用無人機(UAV)などに移管し、今後、用途廃止を進める。その際、島嶼(しょ)防衛やゲリラ・特殊部隊への対処などのため、既存ヘリコプターの武装化などにより最低限必要な機能を保持する。
海自については、広域での洋上監視能力強化のため、滞空型無人機(UAV)を取得することに伴い、P-1固定翼哨戒機の取得数を一部見直す。いずも型護衛艦へのF-35B戦闘機の搭載など、艦載所要の見直しにより、SH-60L哨戒ヘリコプターの取得数を一部見直す。また、U-36A多用機は民間会社への訓練支援の委託により用途廃止する。
空自については、保有機種の最適化のため、要救助者の位置特定が容易な新型救命無線機の導入により初動を担うU-125A救難捜索機などの用途廃止を進める。