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第III部 防衛目標を実現するための3つのアプローチ

2 大量破壊兵器の不拡散などのための国際的な取組

北朝鮮やイランなどが大量破壊兵器・ミサイル開発を行っているとして強く懸念した米国は、2003年5月、拡散に対する安全保障構想5(PSI:Proliferation Security Initiative)を発表し、各国にこの構想への参加を求めた。これに基づき、大量破壊兵器などの拡散阻止能力の向上のためのPSI訓練などをはじめ、政策上、法制上の課題の検討のための会合を開催するなどの取組が行われている。

防衛省・自衛隊は、関係機関・関係国と連携し、各種会合に自衛官を含む防衛省職員を派遣するとともに、継続的に訓練に参加している。

2023年5月、韓国で実施されたPSI訓練6「Eastern Endeavor 23」に海自護衛艦「はまぎり」が参加した。本訓練には、米豪韓の海軍、沿岸警備隊、海洋警察の艦船、航空機も参加し、PSIにかかる技量向上および参加各国との連携強化を図った。

PSI海上阻止訓練に参加する隊員(2023年5月)

PSI海上阻止訓練に参加する隊員(2023年5月)

防衛省・自衛隊としては、わが国周辺における拡散事例などを踏まえ、大量破壊兵器などの拡散防止や自衛隊の対処能力の向上などの観点から、各種訓練や会合の主催、他国の実施する同種活動への参加など、PSIを含む不拡散体制の強化に向けて取り組んでいる。

参照資料61(PSI訓練への防衛省・自衛隊の参加実績(2013年度以降))

動画アイコンQRコード資料:軍備管理・軍縮・不拡散への取組
URL:https://www.mod.go.jp/j/approach/exchange/dialogue/fukakusan/index.html

5 国際社会の平和と安定に対する脅威である大量破壊兵器・ミサイル、それらの関連物資の拡散を防止するため、既存の国際法、国内法に従いつつ、参加国が共同して取り得る措置を検討し、また同時に、各国が可能な範囲で関連する国内法の強化にも努めようとする構想。

6 インド太平洋地域におけるPSI訓練は、2014年からわが国、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、シンガポールおよび米国の6か国が毎年持ち回りで主催。