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第III部 防衛目標を実現するための3つのアプローチ

8 共同使用

施設・区域の共同使用の拡大は、演習場、港湾、飛行場など自衛隊の拠点の増加も意味し、日米共同の活動における、より緊密な運用調整、相互運用性の向上、柔軟性や抗たん性の向上が可能となる。特に沖縄における自衛隊施設は、空自那覇基地などに限られており、その大半が都市部にあるため、運用面での制約がある。沖縄の在日米軍施設・区域の共同使用は、沖縄に所在する自衛隊の訓練環境を大きく改善するとともに、共同訓練・演習の実施や自衛隊と米軍間の相互運用性の向上を促進するものである。また、即応性を向上させ、災害時における県民の安全の確保に資することが可能となる。

このため、南西諸島を含め、地域における自衛隊の防衛態勢や地元との関係に留意しつつ、日米間で精力的に協議を行っているほか、具体的な取組も進展している。例えば、2008年3月から陸自がキャンプ・ハンセンを訓練のために使用している。また、2012年4月の空自航空総隊司令部の横田移転や2013年3月の陸自中央即応集団司令部(当時)の座間移転なども行った。また、グアムや北マリアナ諸島連邦(テニアン島)に、自衛隊と米軍が共同使用する訓練場を整備することとしている。

また、十分な継戦能力の確保・維持を図るために必要な各種弾薬の取得にあたって火薬庫の確保は重要な課題であるところ、在日米軍の施設・区域である嘉手納弾薬庫地区内の火薬庫を自衛隊が追加的に共同使用することとし、具体的な調整が開始されている。