武力攻撃事態などにおいて、国民の生命、身体及び財産を保護するため、国・地方公共団体・指定公共機関などは連携して、国民保護法に基づき必要な取組を行うこととなっています。防衛省・自衛隊も、武力攻撃事態などにおいては、武力攻撃を排除し、国民への被害を局限化するという主たる任務を遂行するとともに、防衛省・防衛装備庁国民保護計画に基づき、警察及び消防等とも連携しつつ、被害状況の確認、人命救助、住民避難の支援等の国民保護措置を実施することになります。
また、平素より、地方公共団体における国民保護計画の作成・変更や避難実施要領のパターン作成・見直しなどの住民避難にかかる地方公共団体の事前の検討への協力や、国民保護措置の実施に関する国と地方公共団体等の共同訓練に、防衛省・自衛隊も参加し、関係省庁・地方公共団体との連携の強化に取り組んでいます。
弾道ミサイルなどによる武力攻撃災害から住民の生命及び身体を保護するために必要な機能を備えた避難施設の整備・普及は、武力攻撃事態における国民の被害を防止するのみならず、武力攻撃の抑止という観点からも重要です。こうした避難施設の整備については、内閣官房を中心に、緊急一時避難施設の指定推進など様々な取組を行っていますが、防衛省としても、こうした政府全体の取組とあいまって、様々な種類の避難施設の確保を行う考えです。
2022年12月に策定した整備計画においても、わが国の防衛上必要な機能・能力として「機動展開能力・国民保護」の強化に取り組むことを明記しています。具体的には、自衛隊の各種輸送アセットも利用した国民保護措置を計画的に行えるよう調整・協力すること、国民保護にも対応できる自衛隊の部隊の強化、予備自衛官の活用などの各種施策の推進などが記載されています。
国民保護にも対応するための部隊などの整備の具体的な内容については今後検討していくこととなりますが、陸自においては、第15旅団を師団化し、南西方面の防衛体制を強化するとともに、国民保護の実効性向上を図ることとしています。また、民間船舶・航空機の利用や自衛隊の各種輸送アセットの利用、予備自衛官の活用などについても検討し、国民保護の実効性を高める取組を実施していきます。
※内閣官房国民保護ポータルサイト(https://www.kokuminhogo.go.jp)にて、政府全体での国民保護の取組や、避難施設の指定状況など記載されています。
国民保護共同訓練に参加する自衛隊員