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<VOICE>オーストラリアで発生した大規模な森林火災に対する国際緊急援助活動に携わった隊員の声

航空自衛隊第1輸送航空隊(愛知県小牧市)
飛行群司令 1等空佐 太田 将史(おおた まさし)

20(令和2)年1月、豪州で発生した森林火災に関し、同国政府からの要請を受け、同国における国際緊急援助活動の実施が命ぜられ、小官は、オーストラリア国際緊急援助空輸隊の指揮官として現地に赴きました。

発令当日、2機のC-130Hにて航空自衛隊小牧基地を出発、豪州リッチモンド空軍基地に到着後、速やかに運用体制を確立、空輸を開始しました。火災の影響で視界不良の中、豪州軍人をカンガルー島まで送り届けた初任務以降も、消火・復旧活動に従事する消防士、軍の車両や消火関連器材などの輸送を継続しました。

これまでの国内外の訓練で培ってきた能力を発揮し、大規模災害事態で重要となるニーズに対応した迅速な活動と、広範囲での確実な運航、組織力の発揮に留意しました。豪州は、東日本大震災発生の際、当時、同国空軍が保有するC-17輸送機の内、国外任務従事機も転用し、整備中の機体を除く全機をわが国に派遣してくれました。その時の恩に報いるためにも、温かな支援を忘れず、隊員一同が常に「豪州国民、大地回復のため」を念頭に昼夜空地問わず、全てに心を込めて全力で任務を遂行しました。

日本と豪州は、地域の平和と安定保持に貢献する意志と能力を兼ね備えた、特別な戦略的パートナーです。本活動が様々なレベルで築き上げられてきた両国関係の深化に役立てたならば嬉しく思います。

空輸任務初日、タスマニア島ホバート国際空港における豪州軍人の空自機への搭乗

空輸任務初日、タスマニア島ホバート国際空港における
豪州軍人の空自機への搭乗

連日の運航を支える早朝から深夜に及ぶ航空機の整備作業

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動画アイコンQRコード動画:オーストラリアで発生した大規模な森林火災に対する国際緊急援助活動
URL:https://youtu.be/wa8IhKNi4oY(別ウィンドウ)