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<VOICE>フィリピン軍の災害対処能力の向上を

陸上自衛隊第4後方支援連隊(福岡県春日市)
衛生隊長 3等陸佐 奥西 由和(おくにし よしかず)

19(令和元)年6月30日から7月4日にかけて、フィリピン軍に対する能力構築支援事業のセミナーに参加し、陸上自衛隊が保有する人命救助システムの器材展示・説明を行いました。人命救助システムは、阪神淡路大震災の活動教訓を踏まえ全国の陸上自衛隊に配備され、その後の災害派遣でも使用されています。私は、派遣要員5名のリーダーとして西部方面隊の災害派遣の取組や実績などの説明を、また、隊員は、各種器材の使用方法や災害現場を想定した救助訓練のデモンストレーションを行いました。

2019年度インド太平洋方面派遣訓練(IPD19)の一環としてフィリピンに寄港中の海上自衛隊護衛艦「いずも」内で行われた同セミナーは、フィリピン軍関係者のみならず、同国政府関係者の皆さんにも研修して頂く貴重な機会でしたので、出国前には限られた展示場所と時間内での説明要領、特に、英語での伝え方、器材の効果的な見せ方について徹底したリハーサルを重ねました。また、今後フィリピン軍に同様の器材が導入される予定でもあるため、正確な説明を心がけました。

その結果、研修者から器材の性能・用途及び具体的な使用場面について高い関心が示されるとともに、災害派遣の態勢や人命救助の訓練などについて意見交換を行うことができ大変有意義な機会となりました。自然災害の多い同国で人命救助システムが有効に使用されるよう、今後機会があれば配備予定部隊に対する教育にも携わっていきたいと思います。

発表する筆者

発表する筆者

器材の使用方法などを説明する隊員

器材の使用方法などを説明する隊員