Contents

コラム

防衛白書トップ > コラム > <VOICE>多次元にわたる日米共同対処能力の向上

<VOICE>多次元にわたる日米共同対処能力の向上

陸上自衛隊西部方面特科隊(大分県湯布院市)
訓練班長 3等陸佐 多田 譲(ただ ゆずる)

19(令和元)年9月上旬に実施された国内における米陸軍との実動訓練(オリエント・シールド19)は陸上自衛隊と米陸軍が、それぞれの指揮系統に従い共同対処能力の向上を図る目的で実施された訓練であり、私は領域横断作戦にかかる火力調整所要員として参加しました。領域横断作戦は、陸・海・空という従来の領域と宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域の融合による相乗効果により作戦全般を有利に進展させることが可能となるものです。本訓練では領域横断作戦の一環として、初参加となる米陸軍MDTF(マルチ・ドメイン・タスクフォース)や電磁波領域を担当する第1電子隊と連携した日米共同戦闘を演練し、日米両部隊の能力を相互に補完できるように取り組みました。

特に、この訓練を通じ、電磁波の領域を活用するための視点・要領を学び、対艦戦闘要領の視野を大きく広げるとともに、調整を通じて米陸軍MDTFなどとの連携を深めることができました。脅威に対する実効的な抑止及び対処を可能とするためには、多次元にわたり日米共同作戦能力を向上させることが必要不可欠だと思いますが、その根底に必要なのは日米相互の信頼関係であると思います。

本訓練は陸上自衛隊にとって新たな領域に踏み込んだ大きな一歩であり、今後も新たな領域の活用について日々取り組んでいく所存です。

領域横断作戦に関する会議に参加中の筆者(前列右から2番目)

領域横断作戦に関する会議に参加中の筆者(前列右から2番目)

動画アイコンQRコード動画:国内における米陸軍との実動訓練「OS19」
URL:https://youtu.be/Z8Ql1Bh6SE4(別ウィンドウ)