災害時における避難所などでの給食支援の責任は一義的には各自治体が有しています。それが困難であり自衛隊が炊き出し支援の要請を受けた場合、各自治体が準備した食材や献立に基づき、自衛隊が保有する野外炊具により調理した給食を避難者に提供しています。
しかしながら、災害時の避難所などにおいて提供される食事は、食材及び調味料がどのような物を使用しているのか表示がなかったため、食物アレルギー保持者が安心して食べられる食事が提供できていないことが憂慮されていました。
このため、令和元年東日本台風(台風第19号)にかかる災害派遣において、炊き出し支援の要請を受けた各災害派遣部隊は、関係自治体と連携しつつ食物アレルギー保持者に配慮した炊き出し支援を行いました。具体的には、①食物アレルギーに関する注意喚起の掲示、②使用食材などに関する食物アレルギー情報の掲示(各自治体などが作成)、③使用した食材及び調味料の袋・瓶などの配食場前の配置です。
これにより、炊き出しで使用された食材及び調味料などに含まれる食物アレルギー情報を避難者自身が確認できるとともに、食物アレルギー保持者でも安心して食べられる給食かどうか自らが判断することが可能になりました。
今後も各自治体と連携しつつ、食物アレルギー保持者に配慮した炊き出し支援に努めてまいります。
使用食材等に関する食物アレルギー情報の掲示
食事を提供する陸自隊員