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<解説>災害時の現状を伝える災害用ドローンの活用

19(令和元)年8月、陸上自衛隊の各地域における災害派遣を担当する部隊などに対して災害用ドローンが装備されました。

災害用ドローンは、各種災害時に被害地域の偵察、特に地上からの接近が困難な地域の被害状況の把握など、災害時の活躍が期待できる情報収集器材です。

今回装備された災害用ドローンは、ドローン本体、リモコン、制御ソフトインストール済タブレットなどで構成され、24MP(メガピクセル)の静止画または60fps(フレームレート)の動画を撮影できます。

19(令和元)年9月から10月にかけて、甚大な被害をもたらした令和元年房総半島台風(台風第15号)及び東日本台風(台風第19号)に対する災害派遣時には以下のような撮影を行いました。

  • 倒木が密集して、地上からの接近が困難な地域の撮影
  • 強風により被災した地域を上空から撮影し、民家などの被害状況を撮影
  • 河川などが氾濫した状況の撮影
  • 大規模に集積された災害廃棄物の全景の撮影

また、撮影は、3名1組で編成し、活動しました。

上記活動により撮影した映像は、現地で活動する災害派遣部隊へ提供し、被害状況の把握及び部隊の活動に反映するとともに、関係自治体に一部を提供して活用していただきました。

さらに、映像伝送器材を使用して撮影と同時に配信、または、録画した映像を、統幕、陸幕(市ヶ谷駐屯地)などの上級組織へ配信し、情報共有を図るための活動を行いました。

この様にドローンで得られる情報は、災害発生時の被害状況の把握に有効であるため、今後ともさらに操縦能力の向上を図り、災害などの発生に備えていきます。

災害用ドローン

災害用ドローン

ドローンによる撮影写真

ドローンによる撮影写真