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第III部 わが国防衛の三つの柱(防衛の目標を達成するための手段)

2 サイバー領域の利用にかかる協力

サイバー領域の利用については、脅威認識の共有、サイバー攻撃対処に関する意見交換、多国間演習への参加などにより、関係国との連携・協力を強化することとしている。

防衛省は、オーストラリア、英国、ドイツ、エストニアなどとの間で、防衛当局間によるサイバー協議を設け、脅威認識やそれぞれの取組に関する意見交換を行っている。また、NATO(North Atlantic Treaty Organization)との間では、防衛当局間のサイバー協議である「日NATOサイバー防衛スタッフトークス」の実施、NATOが主催するサイバー防衛演習(Cyber Coalition)へのオブザーバー参加など、運用面での協力も見据えた取組を行っている。さらに、エストニアに設置されているNATOサイバー防衛協力センター(CCDCOE:Cooperative Cyber Defence Centre of Excellence)が主催する「サイバー紛争に関する国際会議」(CyCon)への参加、サイバー防衛演習(Locked Shields)へのオブザーバー参加のほか、19(平成31)年3月より、防衛省から同センターに職員を派遣し、NATOとのサイバー分野での協力関係を発展させている。

このほか、シンガポール、ベトナム、インドネシアの防衛当局間で、ITフォーラムを実施し、サイバーセキュリティを含む情報通信分野の取組及び技術動向に関する意見交換を行っている。また、能力構築支援として、17(平成29)年12月及び19(平成31)年3月、ベトナム軍に対するサイバーセキュリティ分野の人材育成セミナーを実施するなど、協力の拡大を図っている。

参照1節2項(各国との防衛協力・交流の推進)
1節5項(能力構築支援への積極的かつ戦略的な取組)

サイバー攻撃が国境を越えて行われることを踏まえれば、今後も、各国の防衛当局やCCDCOEなどの関係機関との意見交換やサイバー防衛演習への積極的な参加を通じ、サイバー分野における国際連携を強化していくことが重要である。