第II部 わが国の防衛政策の基本と防衛力整備 

3 平成22年度防衛力整備の主要事項

 以上の方針を踏まえ、装備については、現有戦車の更新のため10式戦車を、護衛艦「しらね」の更新のため護衛艦(DDH)を整備し、弾道ミサイル対処能力の向上や戦闘機(F-15・F-2)の能力向上などを進める。
 また、自衛官の実員については、厳しい財政事情を踏まえ、行革推進法に基づく純減を行ってきたところであり、平成22年度においては第一線部隊への影響が生じないように配慮しながら、民間委託の活用などにより3,500人あまりを削減する。これにより、常備自衛官の実員については16大綱が策定された平成16年度末には236,759人であったが、平成22年度末には6,862人減の229,897人となる見込みである1。なお、先に述べたように、平成22年度の防衛予算の編成の準拠となる方針において「自衛官の実員について、極力効率化を図りつつ、第一線部隊の充足を高め、即応性・精強性の向上を図る」とされたことを踏まえ、防衛省では、16大綱の見直しや次の中期防の策定に向け、所要の施策について検討していくこととしている。
 自衛官の定員は、自衛隊の任務遂行に必要な人員数を示すものである。07大綱および16大綱は陸上自衛隊の編成定数の削減などを規定していることから、自衛官の定員は平成7年度の273,801人をピークに一貫して減少している。このような推移の中で、平成22年度においては、わが国を取り巻く安全保障環境や適切な対応能力を確保する必要性なども踏まえつつ、16大綱に基づく部隊改編などを行うことにともない、平成21年度と同じ247,746人とされた。
(図表II-2-4-2 参照)
 
図表II-2-4-2 平成22年度防衛力整備の主要事項

参照 資料1314

 防衛省は、装備品取得などの全般にわたり、さらなる合理化・効率化に取り組んでおり、装備品の研究開発、調達、維持管理にかかわる経費について、平成18年度と比較して、平成23年度までに15%のコストを縮減2することを目標として設定している。平成22年度における縮減額は、約1,500億円、約7.9%の縮減率(暫定値)となる見込みである。

参照 III部4章2節2


 
1)陸海空自衛隊別の内訳については以下のとおり。なお、ほかに統合幕僚監部、情報本部などがあり、総数とは一致しない。

16年度末実員
22年度末実員
増△減
陸自
145,906人
141,223人
△4,683人
海自
43,697人
41,940人
△1,757人
空自
45,007人
43,270人
△1,737人
 
2)コスト縮減額=当初所要(効率化施策を行う前の理論値)−実際の積算額
コスト縮減率=コスト縮減額÷(装備品関連経費+コスト縮減額)


 

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