第IV部
防衛省改革
防衛力とは、国の安全保障を最終的に担保するものであり、その機能は、ほかのいかなる手段でも代替し得ない。そして、何よりも国民の強い信頼によって支えられていなければ、その機能を発揮することはできない。したがって、自衛隊員は日々職務に精励し、国民の信頼と期待に応えるべく努力を続けている。
しかしながら、最近、給油量取り違え及び航泊日誌誤破棄という文民統制の徹底にかかわる問題、インターネットを通じた情報流出およびイージスシステムに係る特別防衛秘密流出という厳格な情報保全体制の確立にかかわる問題、過大請求など防衛調達の透明性にかかわる問題が明らかになった。また、昨年11月には前事務次官が収賄の容疑で逮捕された。さらに、本年2月19日には護衛艦「あたご」と漁船「清徳(せいとく)丸」の衝突事件が発生した。
参照> III部4章1節
このようなさまざまな問題に対して、防衛省・自衛隊が国民の信頼を回復し、その負託に応えるためには、これまでの業務のあり方や慣行を総点検し、抜本的な対策を講じる必要がある。
防衛省・自衛隊としては、自らがわが国の平和と独立を守る役割を担う組織として再生できるよう、抜本的な改革を進めていく決意である。
以上のような観点から、防衛省改革のための各種の取組として、
第1節で防衛省改革会議、
第2節で文民統制の徹底のための取組、
第3節で情報流出防止のための取組、
第4節で効果的・効率的かつ公正・透明な取得などのための取組、
第5節でその他の取組について説明する。