第I部 わが国を取り巻く安全保障環境 

3 国防政策


 パキスタンは、インドの核に対抗するために自国が核抑止力を保持することは、安全保障と自衛の観点から必要不可欠であるとしている。
 パキスタン軍は、陸上戦力として9個軍団約55万人、海上戦力として1個艦隊約40隻約7万5,000トン、航空戦力として12個戦闘航空団などを含む作戦機約380機を有している。
 パキスタンは、近年、核弾頭搭載可能な弾道ミサイルおよび巡航ミサイルの開発も積極的に進めている。パキスタンは、05(同17)年11月には、巡航ミサイル「バーバル」(ハトフ7)の初の発射実験を実施した6。さらに、本年1月から2月にかけて、「陸軍戦略部隊コマンド(ASFC:Army Strategic Force Command)による演習で、戦略ミサイルグループ(SMG:Strategic Missile Group)は、06(同18)年に引き続き7、同部隊が保有する中距離弾道ミサイル「ガウリ」(ハトフ5)、「シャヒーン1」(ハトフ4)などの訓練発射を相次いで実施している8。また、本年4月には、中距離弾道ミサイル「シャヒーン2」(ハトフ6)の初の訓練発射を実施していることから、パキスタンは、弾道ミサイルの戦力化を着実に進めているとみられる。
図表I-2-6-1参照)


 
6)パキスタンは、昨年3月にも巡航ミサイル「バーバル」(ハトフ7)の発射実験を実施している。

 
7)パキスタンは、06(平成18)年11月から12月にかけて、中距離弾道ミサイル「ガウリ」(ハトフ5)、中距離弾道ミサイル「シャヒーン1」(ハトフ4)などの初の訓練発射を相次いで実施している。

 
8)「ガウリ」の発射を視察したムシャラフ大統領は、部隊の高い練度と優秀な成果を祝した。


 

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