新たな防衛構想
わが国を取り巻く安全保障環境が大きく変化したことなどを踏まえ、51大綱、07大綱に引き続き、昨年12月に新防衛大綱が安全保障会議と閣議で決定された。
新防衛大綱では、安全保障の基本的な考え方(2つの目標、3つのアプローチ)を明示するとともに、新たな防衛力の考え方(「抑止効果」重視から「対処能力」を重視した防衛力への転換)が明示された。
2章1節で、わが国の安全保障を確保する方策、憲法と自衛権の関係、防衛政策の基本について説明し、
2章2節では、新防衛大綱について、策定の背景を踏まえ詳しく説明する。
新たな防衛力の実現に向けて
新防衛大綱に盛り込まれた、新たな脅威や多様な事態への実効的な対応などを重視した多機能で弾力的な実効性のある防衛力を構築するとの考え方に沿った新たな防衛力の実現に向けた道筋をつける。
2章3節では、新中期防と平成17年度の防衛力整備の概要などについて説明する。
統合運用体制への移行
新たな脅威や多様な事態に迅速かつ効果的に対応することができるよう、各自衛隊を一体的、有機的に運用する統合運用体制を強化するため、既存の組織などを見直し、効率化を図り、防衛庁長官の補佐機構として統合幕僚監部を新設、情報本部を長官の直轄組織とするなど、必要な体制を整備する。
2章4節では、統合運用の必要性、平成17年度における事業などについて説明する。
日米安全保障体制と関連する諸施策
日米間においては、日米共同訓練など平素から協力関係を強化するとともに、在日米軍の兵力構成の見直しを含む米国との戦略的な対話に主体的に取り組んでおり、本年2月の「2プラス2」会合の共同発表に盛り込まれた共通の戦略目標の下で、日米双方の安全保障政策の見直しを踏まえた自衛隊と米軍の役割・任務・能力、在日米軍の兵力構成の見直しについての議論を行っている。
2章5節では、わが国の安全保障にとっての日米安保体制の今日における意義や役割とその実効性を確保し、信頼性を向上させるための諸施策について説明する。