第4章 国際的な安全保障環境の改善のための主体的・積極的な取組 

国連平和維持活動局に勤務した隊員の声

 02(平成14)年12月より、米国のニューヨークにある国連本部の平和維持活動局において勤務をしている須田2佐に勤務の状況について聞きました。

 
ハイチで現地調査を行っている須田2佐(左)

 今年で、国連平和維持活動局(PKO局)における計画幹部としての職務も3年目に入りました。昨年初めから、日本では馴染みの薄い「国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)」(ハイチPKO)の計画立案などを担当しています。具体的な業務としては、現地偵察、実施計画などの策定、多国籍軍から国連平和維持活動への転換のための構想の立案などです。また、現地の臨時司令部の幕僚として国連軍事司令部の立ち上げ支援にも携わりました。加えて、国連本部チームの一員として、展開前の事前偵察などのため、部隊派遣国を訪問する機会も得ました。現在も、国連本部スタッフとして、現地司令部に対し運用上の指導・助言を与えるなど、貴重な経験を積んでいます。
 国連本部PKO局には約600名の職員が働いていますが、そのうち平和維持活動の軍事部門を担当する幕僚は僅か60名弱という態勢であり、各担当者の責任が重くなります。ハイチPKOの実施計画についても、私を含め僅か2名で現地偵察から計画立案までを担当しているのが現状です。
 また、国連本部PKO局では、日々のオペレーションと並行して、国連平和維持活動をより効率的に行うための中・長期的な様々なプロジェクトも進行中であり、これらの一部にも担当として参加する機会を得ており充実した勤務をしております。
 これら一連の業務を通じて、国連平和維持活動の実態を深く認識することができました。これから防衛庁・自衛隊も国際的な安全保障環境の改善のため国際平和協力活動に主体的に取り組んでいかなければならない時代にあって、これら貴重な経験が生かせればと思っています。

 

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