第4章 国際的な安全保障環境の改善のための主体的・積極的な取組 

東ティモールの将来につながる貢献について

 東ティモール派遣施設群は、1次隊から4次隊にかけて計画的に、東ティモール政府の国土建設・維持の将来態勢「5コ作業拠点構想」(注)の実現のために、定められた各拠点において現場監督、器材操作員、整備員などとして従事する政府職員の育成を目的とし、「器材操作教育」「整備教育」「工事計画・管理教育」の各種教育を行い、延べにして約100名の政府職員に対して将来の東ティモールの復興に必要な知識及び技術の普及を図った。

 
謝辞を述べる東ティモール職員

 対象となった東ティモール政府職員は、国を発展させる上で重要な知識や技術修得の機会であることを深く認識し、終始熱心に実習に取り組み、また教官や助教として参加した施設群の隊員達も、将来の東ティモールの復興に役立ちたいという気概をもってこれに従事した。
 これら教育は、施設群が東ティモールから撤収した際に当該政府に譲与した施設機材などの活用と併せて、東ティモール国民が自らの手で復興する基盤づくりに寄与したという意味で将来につながる貢献であったといえる。


注:国内の主要都市の5か所に作業拠点を設け、施設機材と現場監督、器材操作員、整備員など必要な職員を配置し、拠点を中心とした担当範囲ごとに主要幹線や公共施設などを建設したり、また雨季のために崩壊しやすい道路などの補修を行う構想

 施設群が行った教育を受けた政府職員に教育終了後所見を頂きましたので紹介します。

○整備教育を受講したジョセ・バルボサ氏の所感

 
(ジョセ・バルボサ氏)

 この3か月の間に、先生達が優しく、楽しく、技術や経験を教えてくれたことは、本当に私たちの役に立つと思います。またいつか、日本と東ティモールが話し合ってこのような機会を設けてもらいたいと思います。
 日本に帰っても私たちのことを忘れないでください。日本隊の皆さん本当にありがとうございます。

○工事計画・管理教育を受講したジョアウン・マリオ氏の所感

 
(ジョアウン・マリオ氏)

 工事計画・管理教育は、私達の技術と専門性を向上させるため極めて重要です。私たちは、職場において問題にぶつかった場合、日本隊に教えて頂いたことが必要になると思います。私は、教官がそれぞれの課目を私達に分かり易く教えてくれたことを大変嬉しく思っています。3か月間ありがとうございました。

 

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