第2章 わが国の防衛政策の基本と新防衛大綱、新中期防など 

無人航空機について

 近年、いわゆる無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)の軍事面における意義がますます大きくなっている。
 無人航空機とは、機上にパイロットなどが搭乗していない航空機で、基本的に自律飛行し、外部からの操作も可能なものである。
 その特徴として、破壊されても人的損耗がないことから、航空優勢を確保していない敵の支配圏での情報収集などの危険な任務に用いることが可能であるほか、人間では耐えられない環境下での飛行や数十時間にも及ぶ長時間の飛行が可能である。また、災害時における火山観測など有人機では危険が伴うような環境下における情報収集などの分野での活用も期待されている。他方、パイロットなどの判断が必要な任務や瞬時の判断を要する任務には向いていないと言われている。
 現在、諸外国では、米国を中心にその研究・開発が盛んに進められており、わが国を含む約40か国で約80種類の無人航空機が運用されている。
 無人航空機の区分としては、おおむね次のような分類で整理されている。

 
無人航空機の分類

 

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