第2章 わが国の防衛政策の基本と新防衛大綱、新中期防など 

新中期防における主要事業

○ C-130Hへの空中給油機能の付加

 島嶼部に対する侵略などの事態発生時における捜索救助活動においては、迅速、確実な救難を実施する必要があり、そのためには、救難ヘリコプター(UH-60J)を戦闘地域の後方などの洋上において長時間空中待機させなければならなくなる。また、平時においても、長距離の運航や長時間にわたる救難活動を実施しうる能力が必要とされる場合も想定される。
 こうしたことから、輸送機(C-130H)に空中給油機能を、救難ヘリコプター(UH-60J)には空中受油機能を付加することにより、救難ヘリコプターの滞空時間の延伸を図ることとしている。このことにより、洋上遠方での航空救難態勢を確立することができる。

 
空中給油機能を付加した輸送機(KC-130)(米軍)

○ F-4の後継機

 戦闘機は、航空防衛力の中核をなす装備であり、わが国有事における航空作戦や平時における対領空侵犯措置において、中心的な役割を果たすことになる。新防衛大綱においても、「領空侵犯に対して即時適切な措置を講ずるものとし、戦闘機部隊の体制を保持する」こととされている。
 現有の戦闘機(F-4)は、平成20年代の半ば頃から所要機数を割り込む見通しであるため、後継機を整備する必要がある。この戦闘機の後継機が調達から取得までに必要とされる期間、取得から部隊建設までに必要とされる期間などを総合的に勘案し、新中期防においては、財政事情なども勘案しつつ、後継機を7機整備することとしている。

 
飛行する戦闘機(F-4)


 

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