第6章 今後の防衛庁・自衛隊のあり方 

1 わが国の弾道ミサイル防衛(BMD

BMDに対するこれまでのわが国の取組

 大量破壊兵器や弾道ミサイルが拡散している状況の中で、現在わが国は弾道ミサイルに対処する有効な防衛システムを保有していない。このため、弾道ミサイルによる攻撃から国民の生命・財産を守るための取組は近年の防衛政策上の重要かつ喫緊の課題となっている。
 防衛庁は平成7年度からわが国の防空システムのあり方の検討に着手し、BMDシステムの技術的実現可能性などの検討を実施している。98(平成10)年には北朝鮮が、日本上空を超える弾道ミサイルの発射を行ったこともあり、BMDに対する世論の関心はさらに高まった。同年には、安全保障会議と閣議の了承を経て、海上配備型上層システムの一部を対象に米国と日米共同技術研究を開始することを決定した1。現在、このシステムで用いられる迎撃ミサイルの4つの主要構成品の設計、試作及び必要な試験を行っている。



 
1)本節2参照。


 

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