日米間の役割や協力などのあり方についての一般的な大枠や政策的な方向性を示した日米防衛協力のための指針(ガイドライン)は、1978年に策定され、1997年と2015年に逐次改訂されている。2015年に改訂された現行のガイドラインは、日米両国の役割と任務についての一般的な大枠や政策的な方向性を更新するとともに、同盟を現代に適合したものとし、また、平時から緊急事態までのあらゆる段階における抑止力や対処力を強化することで、より力強い同盟とより大きな責任の共有のための戦略的な構想を明らかにするものである。
ガイドラインでは、わが国の平和や安全の切れ目のない確保のため、平時から、情報収集・警戒監視・偵察(ISR:Intelligence, Surveillance and Reconnaissance)活動、防空やミサイル防衛、海洋安全保障、訓練・演習、アセットの防護、後方支援などの措置をとることや、わが国における大規模災害への対処などにおいて日米が協力することなどが明示されている。また、地域やグローバルな平和と安全のため、国際的な活動において日米が協力すること、3か国や多国間協力を推進・強化すること、宇宙やサイバー空間に関して協力すること、日米協力の実効性をさらに向上させるための基盤として防衛装備・技術協力や情報協力・情報保全などの日米共同の取組を発展・強化することなどが明示されている。