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第I部 わが国を取り巻く安全保障環境

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2 インド太平洋地域における安全保障環境

このようなグローバルな安全保障環境と課題は、わが国が位置するインド太平洋地域で特に際立っており、将来、さらに深刻さを増す可能性がある。インド太平洋地域は、世界人口の半数以上を擁する世界の活力の中核であり、太平洋とインド洋の交わりによるダイナミズムは世界経済の成長エンジンとなっている。この地域にあるわが国は、その恩恵を受けやすい位置にある。同時に、インド太平洋地域は安全保障上の課題が多い地域でもある。例えば、核兵器を含む大規模な軍事力を有し、普遍的価値やそれに基づく政治・経済体制を共有しない国家や地域が複数存在する。さらには、歴史的な経緯を背景とする外交関係などが複雑に絡み合っている。わが国について言えば、わが国固有の領土である北方領土や竹島の領土問題が依然として未解決のまま存在している。また、東シナ海、南シナ海などにおける、力による一方的な現状変更やその試み、海賊、テロ、大量破壊兵器の拡散、自然災害などの様々な種類と烈度の脅威や課題が存在する。

わが国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している。ロシアによるウクライナ侵略により、国際秩序を形作るルールの根幹がいとも簡単に破られた。同様の深刻な事態が、将来、インド太平洋地域、とりわけ東アジアにおいて発生する可能性は排除されない。国際社会では、インド太平洋地域を中心に、歴史的なパワーバランスの変化が生じている。

参照図表I-1-1(わが国周辺の安全保障環境)、図表I-1-2(主要国・地域の兵力(概数))、図表I-1-3(わが国周辺における主な兵力の状況(概数))

図表I-1-1 わが国周辺の安全保障環境

図表I-1-2 主要国・地域の兵力(概数)

図表I-1-3 わが国周辺における主な兵力の状況(概数)

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